こんにちは、急速に冬に向かっていくのを感じています。暖を取る準備を早くしなければ…。

 さて、本日はいよいよ「誤差」について、まとめていきたいと思います。測量は、「現場仕事、実務で覚えるもの」とよく言われますが、この「誤差」に関しては、絶対的に座学が必要だと思っています。測量の根幹に当たる部分であるため、しっかりと「誤差」について理解をして実務に臨むことが大切です。

 今回は、誤差の用語の整理、特に誤差と補正値(残差)についてまとめてみます。

1. 測量では、必ず誤差を含む観測値を取扱う

 私たちは、普段からものさしなどの道具を使って長さ、角度といった量を測ります。これらはすべて観測値であり、はかる道具、そしてはかる人によって毎回違う結果が得られます。

 例えば、A1サイズの長辺をものさしで測定したとしましょう。A1サイズの長辺は841mm(A1サイズが精密に作られていると仮定して)ですが、使う道具、測定する人によって多少誤差は生まれてきます。

測定者 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目 平均値
A君 843mm 836mm 845mm 844mm 843mm 842.2mm
Bさん 839mm 840mm 839mm 841mm 837mm 839.2mm

 上表はA君とBさんが5回測定した結果を表しています。各測定の観測値は毎回異なり、5回観測の平均も、測定者によって異なります。このように測量をはじめとした測定作業には、必ず誤差を含む観測値のみ取り扱うことになります。

 そのため、測量をはじめとする測定結果からは、その量の本当の値(真値)を確定させることはできません。誤差の量をできる限り小さくする方法(例えば平均値をとる)を用い、本当の値(真値)に近い推定値を測定の成果値として利用します。

 上記の例で、本当の値(真値)、観測値、推定値を整理すると、以下のように分類されます。下図がそれぞれの要素を表したイメージ図になります。

  • 真値・・・A1サイズの長辺本来の長さ(841mm)
  • 観測値・・・A君、Bさんが測定した長さ(各回数の観測結果)
  • 推定値・・・A君、Bさんの観測結果の平均値(A君-842.2mm、Bさんー839.2mm)

2. 誤差の表現方法(誤差の立式)

 さて、上のように観測値、推定値、真値が与えられたとき、観測値の誤差はどのように表現されるでしょうか。ここで誤差とは、観測値の真値に対する差、すなわち観測値がどれだけ真値から離れているかと定義されますので、下の数式で表すことができます。

(誤差)=(観測値)-(真値)・・・①

 上の図を使って表すと、真値と観測値がどれだけ離れているかを表す距離が誤差に該当します。

注:一部の誤差のみ表現している

 しかし、実際にこの誤差を求めることはできません。なぜなら、真値は現実では与えられないからです。その代わりに、上記でも述べたように観測値を補正計算し、できる限り真値に近い推定値を取り扱います。推定値を求めるための補正量は以下のように立式されます。

(補正量)=(推定値)-(観測値)・・・②

 ここで、上記式①、②を比較すると、真値=推定値であれば、誤差=補正値となりますが、符号が逆になるところを注意しなければいけません。すなわち、誤差は、観測値がどれだけ真値から離れているかを表しているのに対し、補正量は、観測値から推定値へするためにどれだけ補正すればよいかを表しており、それぞれの主体が逆になっています。上図二つの矢印の方向が逆になっているのもそのためです。

 補正量のことを残差と表現されることもあります。残差と表現された瞬間、この値はいったい何を表していたか混乱することがよくありますが、上で定義したように、観測値から推定値へ補正するための量としっかり理解し、誤差と混同しないようにしましょう。

3.まとめ

  • 測量では、誤差を必ず含む観測値を用いる
  • 真値(本当の値)は現実では知りえないため、本当の値に近い推定値を測量の成果に利用する。
  • 誤差は、観測値がどれだけ真値から離れているか」を表し、(真値)-(観測値)と立式できる。
  • 残差は、観測値から推定値へ補正するための量」を表し、(推定値)-(観測値)と立式できる。
  • 誤差と残差は、真値=推定値のとき、同じ値になるが、主体が逆であるため、符号が逆となる。

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