公共測量における 1 級基準点測量において,トータルステーションを用いて水平角を観測し,表 の観測角を得た。 ア ~ コ に入る数値のうち明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
解答
公式に従い、以下のように空欄が埋まる
目盛 | 望遠鏡 | 番号 | 視準点 | 観測角 | 結果 | 倍角 | 較差 | 倍角差 | 観測差 |
0° | r | 1 | 303 | 0° 0′ 20″ | 0° 0′ 0″ | ||||
2 | (1) | 97° 46′ 19″ |
ア |
オ |
キ 59″-58″ =+1″ |
||||
l | 2 | 277° 46′ 26″ |
イ |
||||||
1 | 180° 0′ 28″ | 0° 0′ 0″ | |||||||
ケ |
コ +3″-1″ =2″ |
||||||||
90° | l | 1 | 270° 0′ 21″ | 0° 0′ 0″ | |||||
2 | 7° 46′ 20″ |
ウ |
カ 59″+62″ =121″ |
ク 62″-59 =+3″ |
|||||
r | 2 | 187° 46′ 13″ |
エ |
||||||
1 | 90° 0′ 11″ | 0° 0′ 0″ |
問題選択肢
1. 結果のアは97°45′59″であり,イは97°45′58″である。
2. 結果のウは97°45′59″であり,エは97°46′ 2″である。
3. 倍角のオは117″であり,カは121″である。
4. 較差のキは+ 1″であり,クは- 3″(×→+3)である。
5. 倍角差のケは 4″であり,観測差のコは 2″である。
解答のポイント
久しぶりに出題された観測角の問題。覚えていなかった方も多い方思います。倍角、較差、倍角差、観測差はそれぞれ以下のように立式されます。
- 倍角:同一対回の秒数和。(r + l)
- 較差:同一対回の秒数差 (r – l)
- 倍角差:複数対回間の倍角の差(Max-min)
- 観測差:複数対回間の較差の差(Maxーmin)
これら式を覚えてなかった(もしくは、あいまいだった)としても、選択肢で矛盾を見つけることで、解答にたどり着ける場合があります。
今回の場合ですと、1,2、3番の選択肢は、上記公式を知らなくても簡単な計算で求めた値と同じになるため、誤りではないと判断できます。
問題は4、目盛り0°のとき、r-l(59-58=+1)の値なのに対し、もう一方の90°のときは、l-r(59-62=-3)で出されています。選択肢の中で、矛盾が生じており、これが誤りであることが分かります。
このように、知識がなくとも解くことができます。どこかで参考にしていただければ幸いです。
参考ページ
R2年度 測量士補 過去問解答
No.1 | No.2 | No.3-ab,c | No.4 | No.5 | No.6 | No.7 | No.8 |
No.9 | No.10 | No.11 | No.12 | No.13 | No.14 | No.15 | No.16 |
No.17 | No.18 | No.19 | No.20 | No.21 | No.22 | No.23 | No.24 |
No.25 | No.26 | No.27 | No.28 | 試験総評 |