地点 A,B,C で囲まれた三角形 ABC の土地の面積を算出するため,公共測量で設置された4 級基準点から,トータルステーションを使用して測量を実施した。 4 級基準点から三角形の頂点にあたる地点 A,B,C を観測した結果は表のとおりである。この土地の面積は幾らか。
地点 | 方向角 | 平面距離 |
A | 45°00’ 00" | 50.000m |
B | 90°00’ 00" | 20.000m |
C | 330°00’ 00" | 50.000m |
解答

問題文を図示すると、点A~Cは上図のような位置関係となる。求めるのは赤線で示した三角形の面積である。
このままでは、面積が求めずらいので4級基準点を原点(0,0)と定め、A~Cの座標を随時求める。sin、cosを用いてA~Cの座標を求める。

各座標が上図のように求まるので、計算していく。
A(50cos45°、50sin45°)
B(20cos90°、20sin90°)
C(50cos330°、50sin330°)=(50cos30°、-50sin30°)
とそれぞれ変換できる。
ここで座標法の公式を利用する。以下のように定められる。
$$S= \frac{1}{2}\times\sum_{i=1}^{n}X_i(Y_{i+1}-Y_{i-1})$$
点 | X座標 | Y座標 | Yi+1-Yi-1 | Xi(Yi+1-Yi-1) |
A | 50cos45° | 50sin45° | 20+50sin30° | 50cos45°(20+50sin30°) |
B | 20cos90° | 20sin90 | -50sin30°-50sin45° | 0 |
C | 50cos30° | -50sin30° | 50sin45°-20 | 50cos30°(50sin45°-20) |
合計(1/2) | 下記計算参照 |
計算を整理すると、
2S= 2500sin30°cos45°+2500sin45°cos30°+1000cos45°-1000cos30°
= 2500sin75°+1000(cos45°-cos30°)
ここで、sin75°=0.96593、cos30°=0.86603、cos45°=0.70711とすると
2S=2500×0.96593+1000(0.70711-0.86603)=2255
よって、三角形の面積Sは約1128m2(答)
別解(座標法を使わない方法)

A~Cの3点を通る四角形から、余分な三角形を引くことを考える。上図はA~Cの座標を整数値でラウンドする。値を近くしたい場合は、小数第1位までなど細かい数字で計算する。
① 四角形の面積⇒43×60=2580
② 三角形ア⇒1/2×60×8=240
③ 三角形イ⇒1/2×15×35=262.5
④ 三角形ウ⇒1/2×43×45=967.5
求める三角形の面積は、2580-(240+262.5+967.5)=1110。選択肢の中で最も近い値は1128m2(答)
参考ページ
【測量士・測量士補】座標法公式の導き方・考え方
【測量士補・測量士】これだけは覚えておきたい。三角関数の公式集。
【測量士・測量士補 解説】三角関数(sinθ、cosθ)を感覚的に覚える方法。
【測量士補 過去問解答】 平成29年度(2017) No.27
R4年度 測量士補 過去問解答
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