測量士補・測量士 過去問解答

【測量士補 過去問解答】令和4年(2022)No.27

 地点 A,B,C で囲まれた三角形 ABC の土地の面積を算出するため,公共測量で設置された4 級基準点から,トータルステーションを使用して測量を実施した。 4 級基準点から三角形の頂点にあたる地点 A,B,C を観測した結果は表のとおりである。この土地の面積は幾らか。

地点 方向角 平面距離
A 45°00’ 00" 50.000m
B 90°00’ 00" 20.000m
C 330°00’ 00" 50.000m

解答

 問題文を図示すると、点A~Cは上図のような位置関係となる。求めるのは赤線で示した三角形の面積である。

 このままでは、面積が求めずらいので4級基準点を原点(0,0)と定め、A~Cの座標を随時求める。sin、cosを用いてA~Cの座標を求める。

各座標が上図のように求まるので、計算していく。

A(50cos45°、50sin45°)
B(20cos90°、20sin90°)
C(50cos330°、50sin330°)=(50cos30°、-50sin30°)

とそれぞれ変換できる。

ここで座標法の公式を利用する。以下のように定められる。
$$S= \frac{1}{2}\times\sum_{i=1}^{n}X_i(Y_{i+1}-Y_{i-1})$$

X座標 Y座標 Yi+1-Yi-1 Xi(Yi+1-Yi-1)
A 50cos45° 50sin45° 20+50sin30° 50cos45°(20+50sin30°)
B 20cos90° 20sin90 -50sin30°-50sin45° 0
C 50cos30° -50sin30° 50sin45°-20 50cos30°(50sin45°-20)
      合計(1/2) 下記計算参照

 計算を整理すると、

 2S= 2500sin30°cos45°+2500sin45°cos30°+1000cos45°-1000cos30°
  = 2500sin75°+1000(cos45°-cos30°)

 ここで、sin75°=0.96593、cos30°=0.86603、cos45°=0.70711とすると

 2S=2500×0.96593+1000(0.70711-0.86603)=2255

 よって、三角形の面積Sは約1128m2(答)

別解(座標法を使わない方法)

 

 A~Cの3点を通る四角形から、余分な三角形を引くことを考える。上図はA~Cの座標を整数値でラウンドする。値を近くしたい場合は、小数第1位までなど細かい数字で計算する。

 ① 四角形の面積⇒43×60=2580

 ② 三角形ア⇒1/2×60×8=240

 ③ 三角形イ⇒1/2×15×35=262.5

 ④ 三角形ウ⇒1/2×43×45=967.5

 求める三角形の面積は、2580-(240+262.5+967.5)=1110。選択肢の中で最も近い値は1128m2(答)

参考ページ

【測量士・測量士補】座標法公式の導き方・考え方
【測量士補・測量士】これだけは覚えておきたい。三角関数の公式集。
【測量士・測量士補 解説】三角関数(sinθ、cosθ)を感覚的に覚える方法。
【測量士補 過去問解答】 平成29年度(2017) No.27

R4年度 測量士補 過去問解答

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