【測量士補　過去問解答】令和4年（2022）No.6

　次の文は，公共測量におけるトータルステーション（以下「TS」という。）を用いた 1 級基準点測量及び 2 級基準点測量の作業工程について述べたものである。 ア ～ エ に入る語句を埋めよ。

　選点とは，平均計画図に基づき，現地において既知点の現況を調査するとともに，新点の位置を選定し， ア 　及び平均図を作成する作業をいう。
　観測とは，TS を用いて関係点間の水平角，鉛直角，距離等を観測する作業をいい，原則として 　イ 　により行う。観測値について倍角差，観測差等の点検を行い，許容範囲を超えた場合は，再測する。
　平均計算とは，新点の水平位置及び標高を求めるもので，計算結果が正しいと確認されたプログラムを使用して，既知点 2 点以上を固定する 　ウ　 等を実施するとともに，その結果を　エ　 にとりまとめる

解答・解説

①　選点

　図上における配点計画「平均計画図」に基づき、実際の現場で、既知点状況、その他点間の視通などを考慮し、新点位置を選定する。下記の二つを作成する。

• 選点図（ア）：現地踏査の結果を踏まえて地形図に選点結果を記入する。既知点、新点、偏心点の　　　位置、ならびにそれらの視通線を記入する。
  
• 平均図：選点図に基づいて作成する。新点と既知点の位置関係を図示したもので、監督員からの承認が必要となる。

②　観測（路線の種類）

　観測路線には、下記の2種類がある。1 級基準点測量及び 2 級基準点測量は、原則、結合多角方式（イ）により実施する。

③　平均計算

　観測により伴う誤差を考慮して、新点位置（座標）と標高へ誤差を分配する、すなわち平均計算を行う。平均計算の手法は以下の通り。このうち、トータルステーションを用いた1 級基準点測量及び 2 級基準点測量においては、厳密水平網平均計算（ウ）、ならびに厳密高低網平均計算を用いる。なお、計算結果は、精度管理表（エ）にとりまとめる。

• 厳密水平網平均計算（ウ）、厳密高低網平均計算：観測方程式により、厳密に平均計算する手法。測量士補レベルであれば、数学的に厳密に誤差を分配できる方程式で計算を行うことと理解する程度でよい。TSでの平均計算に使用。

• 簡易平均網計算：条件方程式により、ある一定の仮定（コンパス・ルール）の上で、角度誤差と距離誤差を簡易的に分配、平均計算する手法。測量士補レベルであれば、厳密計算が手間であるために、一定の誤差理論を無視して、実用利用に耐えうる範囲で、簡単に平均計算する方法と理解する程度でよい。3級、4級のTS測量に使用できる。

• 三次元網平均計算：地心直角座標系において、観測方程式により、座標誤差を平均計算する手法。GNSS測量において使用される。

R4年度　測量士補　過去問解答

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