図は,トータルステーションによる偏心観測について示したものである。図のように,既知点 B において,既知点 A を基準方向として新点 C 方向の水平角を測定しようとしたところ,既知点 B から既知点 A への視通が確保できなかったため,既知点 A に偏心点 P を設けて,水平角 T ',偏心距離 e 及び偏心角 U の観測を行い,表の結果を得た。このとき,既知点 A 方向と新点 C 方向の間の水平角 T は幾らか。
ただし,既知点 A,B 間の距離 S は,1,500 m であり,S 及び e は基準面上の距離に補正されているものとする。また,角度 1 ラジアンは,(\(2\times{10^{5}}\) )"とする。

φ | 210°00′00″ |
e | 2.70m |
T' | 50°41′00″ |
解答・解説
① 正弦定理により、sin∠ABPを求める

上記の△ABPに着目する。正弦定理より、以下の等式が成立するので、sin∠ABPを求める
$$\frac{2.70}{\sin{x}}=\frac{1500}{\sin{150°}}$$
$$\sin{x}=0.0009$$
② sin∠ABP=0.0009から、ラジアンと角度の性質を利用して、∠ABPを求める。
∠ABPは、sin∠ABPの値からも分かる通り、1°未満の微小な角度である。このとき、下記のようにsin xの値と円弧の長さはほぼ等しくなる。

よって、sin x°≒円弧APより、円弧APの長さ(弧度法)より定まる角度が、∠ABPの値とほぼ等しくなる。この性質を利用し、∠ABPを求めると
(\(2\times{10^{5}}\) )":x=1:0.0009 ⇒ x=180″
ここで、xの値を分表示に直すと、x=3′。よって、水平角Tの値は、
50°41′00″-00°3′00″=50°38′00″(答)
参考ページ
【測量士補・測量士】これだけは覚えておきたい。三角関数の公式集。
【測量士、測量士補】小学生でもわかるラジアンの解説
R4年度 測量士補 過去問解答
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