測量士・測量士補 分野別解説

【測量士】令和2年(2020)総評・感想 ①択一問題

こんにちは、寒くなってまいりました。最近は、測量士補の過去問を解いては記事にする日々が続いています。

ネット上で、「どこもかしこも、解答速報は「測量士補」ばかりで、「測量士」はどこも出してくれない」という記事を見かけました。そりゃ、受けている人測量士補の1/4程度ですし、あんまり需要ありませんからね。

ただ、私もその気持ちを味わった身ですので、解答速報とまではいきませんが、順次解答を作っていく予定です。このサイトを作ろうと思った一つの理由でもありますので。

本日は、令和2年(2020)の測量士の択一式問題について、解いてみた感想と(個人的)難易度、そして全体の総評を書いていきます。

1. 各問題、個人的難易度と解いた感想

以下に、問題ごとの個人的難易度と解いた感想を書いていきます。個人的難易度の評価は以下の通りです。

  • A: 測量士を合格するなら、必ず解けなきゃいけない問題。
  • B: 2択位までは絞れるはず。少し勉強すれば確実に点になるかも。
  • C: 測量士レベルでは少し難しいかも。捨て問になりうる。

難易度の評価は、優しい・・・A<B<C・・・難しい

問題番号 難易度 個人的感想
1 A 基本問題。この問題できないと、午後のNo.1ができない。
2 A 超基本問題。確実に解けるべし。
3 B 2択で迷う。いまだ答えを見つけられない問題。
4 A(B) 3択問題。ゆっくり考えれば解けるはず。
5 A 統計学の基本。
6 A(B) eが過ちだという時点で、2択。もう一つが少し細かい知識となる。
7 B TSの距離誤差の問題。久々に出たので忘れている人も多かったのでは?
8 B 誤差伝搬の問題。基本的な誤差伝搬なので、原理分からずとも、公式代入で答えが出てしまう。
9 B(C) 細かい…。2択まで行けるが、正答を確実にこたえるには、GNSSの原理と種類をしっかりと(暗記ではなく)理解する必要がある。
10 B(C) 少し細かい選択肢。ただし書きまで勉強したか否かが問われる。
11 B(A) 勉強した人は、他の選択肢が分からずとも誤りだけは明らかなので解ける問題。
12 A 水準誤差の基礎問題。結構良問だと思う。
13 B 公式を知っていれば、解ける問題
14 B(C) 誤りの選択肢がわかりずらい。選択肢も細かい。
15 B 誤差伝搬の問題。三角関数の微分を知らないと厳しい。
16 B 近年では、地上レーザスキャナ問題が必須となりつつある。一通りの知識が必要。
17 A 同時調整の基本問題。
18 B(A) 見掛け倒し。図を描いて考えれば、公式を知らなくても解ける。
19 B 写真地図の実務をやってないと厳しい。ただし、誤りの選択肢の原則から一つは絞れるため、実質2択問題となり、少し考えればどっちが誤りかわかる。
20 B 誤りの選択肢が比較的わかりやすい。
21 A めんどくさいだけの問題。確実に解きたい。
22 A UTM図法は業務ではあまり使わないが、測量士試験では頻出なのでしっかり理解しておきたい。
23 B(A) 2択までは簡単。
24 B(C) 今まであまり見られなかった選択肢。知らないと勘で答えることになる。
25 B 誘導に従えばできるが、これは道路設計分野の問題では?若干の知識は必要。
26 A 選択肢が明らかに間違い。
27 A 面積計算の基本問題。
28 A 海浜測量はあまりなじみがないかもしれない。問題自体は、作業準則通りなのでやさしい。

2. 総評

 ざっと評価してみた結果、A:13問、B:11問、若干難しめの問題B(C):4問となりました。Aの正答率が8割、Bの正答率が4割、B(C)の正答率が3割程度と仮定すると、平均16問。

 半分近くも人が第2ステージまでいけずここで、試合終了となるような難易度をしています。国土地理院の『測量士は簡単には取らせないぞ』という強い意志を感じます。確実に合格率を1割程度に調整していますね。

 仮に記述式へ進める切符を手に入れたとしても、最低でも22/28点はほしいところです(できれば、B(C)問題を除く24/28点はほしい)。記述式で6割とるのは不可能だと思ってください(下記リンク参照)

【測量士】試験突破のポイントを伝授:マーク試験は満点を狙おう。

 問題の特徴としては、過去類題は出題されますが、近年主流となりつつあるGNSS測量、地上レーザスキャナー、航空レーザ測量、GISなど「国土地理院が普及させたい測量」の出題が多くなってきている傾向があります。実務で経験できる機会は少なく、理論が難しい分野ですが作業準則記載の作業内容はしっかり勉強する必要があると思います。

3. 今後の対策・まとめ

  • 過去問ができなければ話にならない。3~5年分の過去問は理解して解けるようにする必要がある。
  • 択一式の計算問題は、測量士補に比べて難しいが絶対に捨てない。誤差伝搬の公式を理解し、確実に解けるようにする。
  • 近年では、GNSS,地上レーザスキャナー、航空レーザ測量など「普及しつつある測量技術」の問題が増えている。理論まで勉強するのは難しいが、作業準則の内容をしっかりし、択一問題は解けるようにする。

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