測量士補・測量士 過去問解答

【測量士 過去問解答】令和4年(2022)No.19

 公共測量におけるデジタル航空カメラを鉛直下に向けた空中写真撮影を行うに当たり,標高が200 m から 600 m までの範囲にある土地を撮影範囲全体にわたって同一コース内の隣接空中写真間の重複度が最小で 60 % となるように計画した。撮影基準面の標高を 200 m とするとき,撮影基準面における同一コース内の隣接空中写真間の重複度は何%となるか。
 ただし,使用するデジタル航空カメラは画面距離 9 cm,画面の大きさ 14,000 画素 × 11,000 画素,撮像面での素子寸法 7 μm とし,画面短辺が撮影基線と平行であるとする。また,空中写真の撮影は等高度で,撮影基線長は撮影範囲全体にわたって一定であるとし,撮影基準面での地上画素寸法は 10 cm とする。

解答

 問題文を図示すると、下記のようにまとめられる。

(1)素子寸法、地上画素寸法の比率から、撮影基面高からの高さを求める。

 条件より、画素寸法と画面距離の比の式を立式すると

7(μm):10(cm)=9(cm):X(m)
\(7.0×10^{-6}\)(m):\(1.0×10^{-1}\)(m)=\(9.0×10^{-2}\)(m):X(m)

 上記の計算を行うと、撮影基面高からの高さはX=1286mとなる。

(2)撮影面の重複度を数値で表し、非重複区間の長さを求める。

条件より、最小の重複度60%となる撮影面は、標高600mの面である。ここで、ABの長さを886(1286-400)とすると、相似関係より

標高600mの重複度が60%であるため、非重複の長さは、

$$886\times{\frac{40}{100}}=354.4$$

よって、非重複の長さ(=撮影基線長)は354.4。

(3)(2)で求めた非重複区間の長さより、標高200mの重複度を求める。

(2)より、撮影基線長は354.4と求まった。最後に、標高200mの撮影面の長さのうち、重複する区間長の割合を算出する。標高200mの撮影面の長さは1286とし、非重複区間の長さは、撮影面600mのときと同様、354.4であるから、標高200mの撮影面の重複度は

$$\frac{1286-354.4}{1286}\times{100}=72.4$$

よって、選択肢の中で最も近い値は72%(答)

R4年度 測量士 過去問解答

No.1No.2No.3No.4No.5No.6No.7No.8
No.9No.10No.11No.12No.13No.14No.15No.16
No.17No.18No.19No.20No.21No.22No.23No.24
No.25No.26No.27No.28択一総評 記述総評  
2-B-12-C-22-D5-B5-C-25-D-4

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