測量士・測量士補 分野別解説

【測量士・測量士補】測量士・士補試験:それぞれの特徴、相違点とは?

こんにちは。ブログ記事数が100程度になり、アクセスが安定してきております。さて、本日は測量士・士補の試験の特徴、相違点についてまとめていきたいと思います。

1. 試験内容について(地理院公開情報の比較)

まず、他の記事でも書いていますが各試験内容について、地理院の公開情報を比較していきたいと思います。

<測量士補>
公共測量に従事する者として、その円滑な実施の観点から必要となる、測量技術、関連法令、公共測量の実務等に関する知識を問う。
試験方式:マークシート式 28問(700満点) 450点以上で合格
※ 2019年度 合格率:35.8%

<測量士>
管理技術者として必要となる、測量技術及び測量成果の管理・評価に関する知識を問う。
試験方式:マークシート式 28問(700満点) 
記述式 必須:300点 選択:200×2科目 (700満点)
マークシートが400点以上 かつ 合計で910点以上で合格
※ 2019年度 合格率:14.8%

簡単に、違いをまとめてみましょう。

  • 試験内容の違いは、測量士には午後に記述式の試験があること。
  • 試験難易度は、測量士補は30~40%(普通)、測量士は10%程度(難)
  • それぞれの試験範囲は重複するが、問われる知識は若干異なる

測量士の試験については、記述式もあり、合格率も低いため、測量士補の上位互換が測量士ととらえる人も多いと思います。しかし、土木資格と違って、いきなり測量士の試験を受けることが可能です。正直、測量士補を受けて、その後測量士受けるのは、2回勉強しなくてはいけないのでだるいです。測量士目指す方は、一発で測量士受けるのも手だと思います。

2. 試験問題の違いについて

上で測量士補と測量士では、問題が若干異なると書きましたが、地理院の記述からだとあまりピンとこないと思います。実際に例を見てみましょう

R元年 測量士補 No.14

トータルステーションを用いた縮尺1/1,000の地形図作成において,傾斜が一定な斜面上の点Aと点Bの標高を測定したところ,点Aの標高が103.8m,点Bの標高が95.3mであった。また,点A, B間の水平距離は70mであった。このとき,点A,B間を結ぶ直線とこれを横断する標高100mの等高線との交点は,地形図上で点Aから何cmの地点か。最も近いものを次の中から選べ。

H30年 測量士 No.13

トータルステーション(以下「TS」という。)を用いて,放射法により標高を求めたい。既知点Aから求点BをTSで観測したところ,測定距離80.000m,高低角35°00′00″を得た。使用したTSの距離 測定の精度(標準偏差)が5mm+5×10-6 D(Dは測定距離),角度測定の精度(標準偏差)が5″の 場合,求点Bの標高の計算結果の精度(標準偏差)は幾らか。

測量士補では、地形図上である点までの距離を求める問題です。地形図の縮尺の知識、三角関数を用いた水平距離の計算知識が必要になります。測量に従事したことがある人であれば作業上必要になってきますので、一度は計算したことがあると思います。

一方で、測量士では測定の精度(標準誤差)の知識について聞いています。こちらについては、だいたいがソフトによって出力されますので、知識がなくても測量作業はできます。しかし、精度管理をする上では、必要となってくる知識です。測量士が難しいと言われる(思われている)のは、この測量誤差の取り扱い(精度管理)について問われることに起因しています。

以上をまとめると・・・

  • 測量士補は、測量作業をするうえで必要な知識(例えば、測量機器の取り扱いなど)について出題される。
  • 測量士は、測量の精度管理をするうえで必要な知識(例えば、測量誤差のの計算方法)について出題される。

と思って勉強すると違いが分かりやすいと思います。

3. 測量士の記述問題について

測量士と測量士補の中で、最も違う点として測量士試験には記述問題があることが挙げられます。測量士が難しいという人の中には、記述式の試験があるからと答える人が相当数います。

ですが、記述式試験はほとんど過去問の焼きまわしです(過去問解説ページ参照(作成予定))。しかも、ありがたいことに地理院で模範解答が公開されていますので、ある一定の水準まで点数を取ることは容易だと思います。

測量士試験の合否のほとんどは、マークシートで決まります。また、別の記事で測量士を合格するための、戦略について書きますので、ご参考にしてください、

4. 参考ページ

【測量士・測量士補】資格試験概要:試験内容から勉強期間、参考書まで
【測量士・測量士補】試験対策:マークシートに効果絶大な勉強方法

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