雑記

【独り言】土木は経験がベースか、学問がベースか?

こんばんは、普段はやらない測量のことばかり書いている、へっぽこ技師です。

いきなり、よくわからんタイトルでブログを書き始めてしまいましたが、普段から思っていることであり、時折とてつもない苛立ちに襲われる内容でもあります。今回の記事は独り言ですので、「こういう考えの人もいるんだー」程度で読んでいってもらえば幸いです。

1. 土木では経験者が偉い?

「優秀な土木技術者は、経験豊富である。土木は経験が大事なんだ。」

この業界では、よく言われることだと思います。結局何を頑張ればいいですか?と問いただしたくなるような主張で、まいど腹が立ちます(笑)。

土木という分野は、経験というキーワードがとても強調されます。その理由は以下の点が土木という分野では、関わってくるからだと考えられます。

  • 土木公式の多くは、経験的に求められたものが多く理論的に確立されていないものが多いため。
  • 自然科学の原理のみならず、人間都合が大きく関与するため。
  • 多くの分野が関わりすぎて、技術者のほとんどは、業務の中でなんとなく理解を進めていくため。

「経験が大事だ!」と主張する人のほとんどが3番の理由で言われている気がします。すなわち、経験がある⇒業務をいっぱいやっている⇒指針・基準(ついでに原理も少し)よく知っている⇒技術者として優れている。という暗黙の理論が成り立っているようです。

しかし、「この基準はどんな理由で決まっているのか?」、「なぜこの基準を適用するのが今回正しいのか?」など、基準の適用方法やその原理について問うと・・・

「一般的にこの場合はこれに決まっている(基準書には明確には書いてない)」とか、「謎の俺様理論の主張(原理を自分で作ってしまう)」とどうしようもない答えが返ってくるわけです。この風習が土木業界の諸悪の根源、もっと具体的に言えば、「若手不足。後継者がいない。(理論を一般化できないから当たり前である)」という現実を生み出してしまっていると私は考えています。

2. 土木のイメージを考えてみる。

土木の立ち位置、とらえ方と聞かれたとき、私は以下の図のようなイメージを持っています。

当たり前の図だと思います。ここで私が重要だと思っているのが、「土木工学は複数の基礎科学から成り立つ応用科学である」という点です。

すべての基準・指針において、土質力学・構造力学などの基礎科学が応用され、土木事業に適用できるよう整備されています。技術者たるものは、そのバックグラウンドを正確に理解し、土木事業に適用・応用することが求められます。

よく基準で〇〇と定められているので、この条件に決めましたという報告書を書きます。業務としてはこれで十分だと思うのですが、説明する中で「その基準がなぜそのように定められているのか」、「なぜこの基準を適用できるのか」など、基礎科学分野の知識を用いて考えることが大事だと思っています。

そうでないと基準・指針を鵜呑み(または、理解が不十分で)で、誤った適用、指示をしてしまうことがあるからです。さらにいうなら、人に説明できない、教えられない、俺様ルールになってしまうからです。

多くの技術者(そうでない人はごめんなさい)は、このベースの基礎科学分野をすっとばし、図の上層、つまり応用科学の部分で土木を回しがちです。

しかし、私自身は土木工学のベースは基礎科学にあると思っています。なぜなら、その原理については不変であり、それゆえに一般的に他者と共有できる部分であるからです。多くの指針・基準の判断には、まずは基礎科学の理解(つまり、お勉強)が必要です。

3. 経験は何のため?

じゃぁ、経験なくても土木はできるのか?といわれれば、おそらく多くの人がNoと答えるでしょう。その部分は、私も同意します。

経験が必要という理由の2番目に「自然科学の原理のみならず、人間都合が大きく関与するため。」と挙げました。この人との調整、もっというなら社会的要求への解決が土木では必要であり、そのときに重要視されるのが経験というわけです。

ただし、この経験もあくまでも基礎科学を理解したうえで、積んでいかないと意味がないと考えています。原理をもってして、初めて経験による判断ができるからです。

あくまでも私は土木における経験はスパイスというイメージであり、技術者の根幹を決めるものではないような気がします。もちろん、スパイスが効いていればそれだけ素晴らしいことではあると思いますが・・・

4. 終わり

とりあえず、殴り書きで記事を書いて最後の方何かいているかよくわからなくなっていますが、私が主張したかったのは、以下の3点ほど。

  • 土木工学のベースはあくまでも基礎科学(学問)。学問の理解なくして、その成熟はあり得ないし、この業界の成長はない。
  • 経験則に頼る風習は、若者を育てない。経験はスパイス程度ととらえるべき。
  • 初学者(若者)が自ら理解し、判断できるよう業界全体で基礎科学と実務を結び付けた教育の充実を図るべき。経験則だけの教育は、共有できず危険である。

こんな感じでしょうか。上記のように考えているので、そろそろ実務の分野もせこせこ書きたいこの頃です。それでは。

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