図は、水準点A,B,Cと新点S,Tからなる水準路線を模式的に表したものである。表1.は公共測量における1級水準測量を電子レベルを用いた実施した観測結果である。また、表2は水準点の標高及び新点の過程店である。

路線番号 路線方向 観測高低差(m) 観測距離(m)
(1) A→S -3.4033 1.00
(2) B→S -1.6017 4.00
(3) T→S +1.0681 2.00
(4) C→T -1.3059 4.00
水準点 水準点A, B, Cの標高(m)
新点S, Tの仮定標高(m)
A 20.0598
B 24.7769
C 23.5741
S 18.5000
T 19.1000

解答・解説

観測方程式の立式、正規方程式の計算を行う穴埋め問題となっている。誘導に従い、穴埋めをしていく。

① 観測方程式の立式

 路線(1)~(4)の観測方程式を立式する。観測高低差の残差をVi、新点S, Tの仮定標高の補正量をそれぞれXs、Xtとする。このとき、観測高低差の残差は、以下のように立式される。

V(残差)=X(推定値)ーL(観測値)

このとき、上記の通り立式すると、残差の観測方程式は以下のようになる。

V1={(18.5000+Xs)ー20.0598}ー(-3.4033)=Xs+1.8435
V2={(18.5000+Xs)ー24.7769}ー(-1.6017)=Xsー4.6752・・・ア
V3=={(18.5000+Xs)ー(19.1000+Xt)}ー(+1.0681)=XsーXtー1.6681・・・イ
V4=Xtー{(19.1000+Xt)ー23.5741)}ー(-1.3059)=Xtー3.1682・・・ウ

よって、上記式を行列式で表記すると

$$
\begin{pmatrix}
V_{1} \\
V_{2} \\
V_{3} \\
V_{4} \\
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
1 & 0\\
1 & 0 \\
1 & -1 \\
0 & 1 \\
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
X_{s}\\
X_{t} \\
\end{pmatrix}

\begin{pmatrix}
-1.8435\\
4.6752 \\
1.6681 \\
3.1682\\
\end{pmatrix}
$$

ここで、

$$
V=
\begin{pmatrix}
V_{1} \\
V_{2} \\
V_{3} \\
V_{4} \\
\end{pmatrix},
A=
\begin{pmatrix}
1 & 0\\
1 & 0 \\
1 & -1 \\
0 & 1 \\
\end{pmatrix},
X=
\begin{pmatrix}
X_{s}\\
X_{t} \\
\end{pmatrix},
L=
\begin{pmatrix}
-1.8435\\
4.6752 \\
1.6681 \\
3.1682\\
\end{pmatrix}
$$

とおくと、V=AX-Lと書ける。距離に応じた重量行列をPとすると、重量は距離に応じて反比例するため、

$$
P=
\begin{pmatrix}
1&0&0&0 \\
0&0.25(エ)&0&0 \\
0&0&0.50(オ)&0 \\
0&0&0&0.25(カ)\\
\end{pmatrix}
$$

となる。


② 正規方程式の計算

 ①の方程式のXは、(\(A^{T}PA)X=A^{T}PL\)を解くことにより、求めることができる。ここで、\(A^{T}PL\)、(\(A^{T}PA)^{-1}\)を求めると以下のようになる。

$$
A^{T}PL=
\begin{pmatrix}
1 & 0.25 & 0.50 & 0 \\
0 & 0 & -0.50 & 0.25 \\
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
-1.8435\\
4.6752 \\
1.6681 \\
3.1682\\
\end{pmatrix}\\
=
\begin{pmatrix}
-1.8435+0.25\times{4.6752}+0.50\times{1.6681} \\
-0.50\times{1.6681}+0.25\times{3.1582}\\
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
0.1594(キ) \\
-0.0420\\
\end{pmatrix}
$$

$$
A^{T}PA=
\begin{pmatrix}
1 & 0.25 & 0.50 & 0 \\
0 & 0 & -0.50 & 0.25 \\
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
1 & 0\\
1 & 0 \\
1 & -1 \\
0 & 1 \\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
1 .75& -0.5\\
-0.5 & 0.75 \\
\end{pmatrix}
$$

$$
(A^{T}PA)^{-1}=\frac{1}{1.75\times{0.75}-(-0.5)\times{(-0.5)}}
\begin{pmatrix}
0.75& 0.5\\
0.5 & 1.75 \\
\end{pmatrix}\\
=\frac{1}{1.0625(ク)}
\begin{pmatrix}
0.75(ケ)& 0.5\\
0.5 & 1.75(コ) \\
\end{pmatrix}
$$

よって、上記より正規方程式を解くと

$$
X=\frac{1}{1.0625}
\begin{pmatrix}
0.75& 0.5\\
0.5 & 1.75 \\
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
0.1594 \\
-0.0420\\
\end{pmatrix}
$$

$$
=\frac{1}{1.0625}
\begin{pmatrix}
0.75\times{0.1594}-0.5\times{0.0420}\\
0.5\times{0.1594}-1.75\times{0.0420}\\
\end{pmatrix}=
\begin{pmatrix}
0.0928(サ)\\
0.0058(シ)\\
\end{pmatrix}
$$

③ 補正量から新点S,Tの標高を求める(D-3)

②より、Xs=0.0928、Xt=0.0058と求まる。①の観測方程式の立式時、

S*(推定値)=18.5000+Xs、T*(推定値)=19.1000+Xtより、新点S,Tの標高は、

S*=18.5928、T*=19.1058となる(答)。

R2年度 測量士 過去問解答

No.1No.2No.3No.4No.5No.6No.7No.8
No.9No.10No.11No.12No.13No.14No.15No.16
No.17No.18No.19No.20No.21No.22No.23No.24
No.25No.26No.27No.28択一総評 記述総評  
2-B-22-C-32-D-2,35-A5-B5-C-35-D-2

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