【CADオペレータ】図面トレースで注意することをまとめてみた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 こんにちは、オリンピックが始まっていますね。いろいろ賛否両論ではあると思いますが、開催するからには最後まで見守っていきたいですね。

 さて本日は、図面トレースで注意することをまとめていきます。CADに触れてまず最初に任される仕事の一つだと思いますが、トレース図面を利用する目的、用途等によってトレースの仕方が変わりますので、注意が必要です。初めてCADトレースをする参考にしていただければと思います。

1. そもそもCADトレースってなんでやるの?-ラスベク変換-

 まず、「そもそもCADトレースをなぜやるか」について説明します。トレース作業の意味を理解するためには、画像の描画形式(ラスターデータベクターデータ)を理解しておく必要があります。ここでは、簡単に触れておきます

 上図は、ラスターデータとベクターデータの違いを説明した図です。

 ラスターデータは、「紙などをスキャンして取り込んだ画像データ」です。そのため、ベクターデータのように点の座標、要素の属性などCADで用いる特性は持ってませんので、CADで編集、変更するためにはラスターデータをベクターデータに変換する必要があります。

 上記のように、ラスターデータからベクターデータへ変換することをラスベク変換といい、この変換こそがいわゆるトレースに該当します。

 CADソフトの中には、ラスベク変換を自動的に行うものもあります。しかし、ショートベクトルが多数できてしまうなど不都合が生じることが多々あります。そのため、多くの場合、スキャンした図面データ(ラスターデータ)をきれいになぞることによって、ベクターデータへ変換します。

 ラスターデータとベクターデータの詳細な説明はこちらをご覧ください。

【土木CADオペレータ】CADデータの性質:ベクタデータとラスターデータ

2. トレースをするときの注意点

 トレース(ラスベク変換)をするうえで、注意する点を書いていきます。

① トレース元の縮尺、図面の大きさに注意する

 トレースをするうえで、一番重要なのはトレース元の縮尺とトレース元の図面のサイズです。これが狂うとえらいことになります。

 例を見てみましょう。

トレース素材の例(国土地理院-基盤地図情報 VectorMapMalerを使用して作成)

 上の地図は、縮尺1:1000の地図で、下のスケールは合計で10cmです。縮尺1:1000なので、地図上では100mに相当します。上記地図を今回紙媒体で手に入れ、CADで使用するためにトレースする状況を考えます。

 まず、手に入れた地図をスキャナで読み込みます。ファイル形式は、CADで取り込める形であれば何でもよいと思います。

 次に、取り込んだ地図画像(ラスタデータ)をトレースしていく…前に、取り込まれた画像データが正規のサイズになっているか、しっかりと確認・調整する必要があります。スキャナで読み込むと、画像が微妙に縮小されていたり、画像が歪んでしまっている場合があります。このまま、トレースを始めてしまうと、原図とサイズが大きくずれた状態で、トレースを行ってしまう恐れがあります。

トレース素材の例(国土地理院-基盤地図情報 VectorMapMalerを使用して作成)

 よって、スケールなど、サイズが確定している部分を用いてサイズ調整してからトレースを行います。画像がゆがんでしまった場合は、ヘルマート変換などで歪み補正を行ってもよいですが、もう一度きれいにスキャンをやり直すほうが正確なトレースができると思います。

② トレースした図面の種類に注意をする

 ①の調整を終え、実際に画像データをなぞる(トレース)します。このとき、どれだけ正確になぞる必要があるのかという点が問題となります。トレースを依頼された上司などに確認するのが一番ですが、ここでは、個人的な考え方について述べておきます。

1)地図など正確な寸法、座標を持たない図面のトレース

 現地測量(既成図利用)などの場合、道路部の構造物のみを現地にて測量し、その周りに道路台帳のトレースを 合わせます。この場合、トレース部はあくまでも背景と同じ扱いですので、各地物の座標、寸法が実際の道路台帳と若干異なっても問題にはなりません。

 そのため、①の調整を行った後、ラスターの上を見えるとおりになぞれば、トレース完了となります。

トレース素材の例(国土地理院-基盤地図情報 VectorMapMalerを使用して作成)
2)構造図など正確な寸法、座標を持つ図面のトレース

  1)では、道路台帳など寸法、座標などあまり重要でないトレースを紹介しました。しかし、トレースする図面の中には、寸法、座標などが重要なものもあります。寸法が記載された構造図などは、図面に記載されている寸法通りの長さでトレースする必要があります。

 例を見てみましょう。

 上記は1)で示した地図と同様ですが、今回は建物の寸法が指定されています。構造図等をトレースする際には、上記のように図面記載の寸法、角度を正確に反映させ、トレースする必要があります(本当は、構造図の例を出そうと思ったけどなかなかいい例が見つからなかった(泣))。

 その際、若干ラスターとずれることもありますが、寸法の値を優先させてトレースを行います。こちらはただなぞるだけではなく、図面に書かれている構造物を理解しながら、トレースをする必要があるため、1)に比べて難易度は高くなります。

3. まとめ

  • トレースは、紙媒体など図面を画像データ(ラスターデータ)で取り込んだ後、CAD化(ベクターデータ化)すること。
  • 図面をスキャンで取り込んだ後、スケールなどを用いてサイズ調整をすること。
  • 図面の用途、種類によってトレースの質が異なってくる。どこまで正確なトレースが必要か、上司にあらかじめ確認してからトレースすること。

土木CAD 製図コンテンツに戻る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*