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【RCCM】資格概要、受験資格、試験内容などをまとめてみた。(令和4年度版)

 こんにちは、梅雨前のさわやかな季節になりました。今のうちに晴れ間を堪能しておきましょう。

 さて、本日は、土木資格の一つ、RCCM(シビル コンサルティング マネージャー)の資格概要をまとめていきます。建設コンサルタント業界では、色々と利用される資格ですが、その分その維持が少し大変になっています。そこらへんについても、触れていきたいと思います。

こんな疑問に答えます

  • RCCMってどんな試験なの?どんな分野があるの?
  • 受験資格は?誰でも受けれるの?
  • 試験内容、合格率は?
  • 資格の更新が必要なの?
  • 資格の使い道は?転職に有利なの?

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1. RCCMとは

 シビル コンサルティング マネージャ(Registered Civil Engineering Consulting Manager、以下「RCCM」という。)は、建設コンサルタント等業務に係わる責任ある技術者として、業務の適正な執行の管理、技術上の事項の処理、および業務成果の照査の責任者となる資格試験です

RCCM 資格ホームページ 受験の手引きより

 RCCMは、建設コンサルタント等業務において、管理技術者、ならびに照査技術者になる資格試験です。建設コンサルタント等業務においては、管理技術者、照査技術者を配置する必要があるため、技術士に次ぎ、重要度の高い資格になっています。

   RCCM部門には、下記の22分野あり、各々の専門的知識、ならびに実務経験が必要になります。

No. 専門技術分野
1 河川、砂防および海岸・海洋
2 港湾及び空港
3 電力土木
4 道路
5 鉄道
6 上水道及び工業用水道
7 下水道
8 農業土木
9 森林土木
10 造園
11 都市計画及び地方計画
12 地質
13 土質及び基礎
14 鋼構造及びコンクリート
15 トンネル
16 施工計画、施工設備及び積算
17 建設環境
18 機械
19 水産土木
20 電気電子
21 廃棄物
22 建設情報

 

2. 受験資格

基準となる学歴 実務経験
大学院(修士、前期) ※博⼠、後期は在学期間を実務経験年数とみなします。但し、RCCM専⾨技術部⾨に関係する内容に限ります。
※⼤学改⾰⽀援・学位授与機構より学位を授与された⽅も修⼠と認めます。
修了後5年以上
大学 ※省庁⼤学(4年制⼤学相当)、⾼等専⾨学校専攻科を修了された⽅も学⼠とみなします。
※⼤学改⾰⽀援・学位授与機構より学位を授与された⽅も学⼠と認めます。
※放送⼤学を卒業された⽅は、卒業の翌年度から実務経験年数を起算してください。
卒業後7年以上
短期大学、高等専門学校 ※2年制の理⼯系(RCCM専⾨技術部⾨の分野に限る)専修学校を卒業した⽅は短期⼤学卒業同等と認めます。 卒業後9年以上
高等学校 ※⾼等学校卒業程度認定試験、⼤学⼊学資格検定に合格した⽅も⾼等学校卒業と認めます。その場合は合格の翌年度から実務経験年数を起算してください 卒業後11年以上
中学校 卒業後14年以上

 管理技術者、照査技術者になるための資格であるため、受験資格も一定の実務経験を要する必要があります。実務経験年数は学歴に応じ、上記の通りです。要約するとストレートで卒業・終了して、実務経験を30歳以上になるまで積んだ人が、受験することができます。以前は、33歳以上と少し年齢が高かったですが、若手技術者の活躍を支援するため、2019年度より3年短縮されました。

3. 試験日時

受験日時:9月1日~10月31日のいずれかの日時に、RCCM試験(A)、RCCM試験(B)を受験。
予約期間:7月4日~10月31日

RCCM 資格ホームページ 受験の手引きより

 2021年度より始まったCBT試験により、9月、10月の2か月間の好きなタイミングで試験を受けられるようになりました。2か月間の間に、RCCM試験(A)、RCCM試験(B)の2つの試験を受ける必要があります。2つの試験は、2日間に分けてもよいし、予約が取れれば1日でまとめて受けてもOKです。

CBT試験については、こちらに特徴と留意点をまとめました。参考にしてみてください。
【RCCM】CBT試験の特徴と注意点をまとめてみた。

4. 試験内容

下記の2つの試験を実施する。RCCM 資格試験は CBT で実施する。

RCCM試験A(130分):問題Ⅰ、問題Ⅱ
RCCM試験B(130分):問題Ⅲ、問題Ⅳ

問題Ⅰ:受験する専⾨技術部⾨の業務経験(記述式)
問題Ⅱ:業務関連法制度、建設⼀般の知識、技術者倫理等(択一)
問題Ⅲ:管理技術力(記述式)(事前テーマより、1題出題)
問題Ⅳ:⼟⽊関連の基礎的技術知識と受験する部⾨の専⾨技術知識(択一)

RCCM 資格ホームページ 受験の手引きより

 2021年度より、CBTで実施されています。CBT試験とは、解答用紙、筆記用具等ではなく、キーボード、マウスを利用して、パソコン上ですべて解答する試験です。択一式も記述式もすべてパソコン上で解答します。

 試験Aでは問題Ⅰ、Ⅱを、試験Bでは問題Ⅲ、Ⅳを130分以内に解答します。時間の使い方は自由ですが、いずれも記述試験、択一試験ともにあるため、かなり厳しい時間設定になっています。

 RCCMには、22分野専門がありますが、試験問題が異なるのは問題Ⅳの専門技術知識分野のみです。問題Ⅰ~Ⅲ、問題Ⅳの基礎技術知識は、すべての部門共通問題となります。

5. 合格基準、合格率

① 合格基準

それぞれの問題のいずれについても配点の50%以上を得点し、且つ総合点で60%以上を得点すること

令和3年度 RCCM合格発表ページより

  問題Ⅰ~Ⅳすべての分野で50%以上獲得し、かつ総合得点で60%以上得点する必要があります。いずれの問題でも半分はできないと合格できないということです。

 特に合格の分かれ目となるのは、問題Ⅲだと思います。問題Ⅲは、2021年度より事前テーマが発表される代わりに、本番に表示される大問に強制的に解答しなければいけません(以前は、3問くらい出題されて選択できた)。合格するには十分な対策が必要となります。

② 合格率

47.1%(5723人中2698人)(令和3年度)

【参考(令和3年度 代表的な部門別)】
道路部門:43.3%(1119人中485人)
鋼構造及びコンクリート:49.7%(1112人中553人)
河川、砂防及び海岸・海洋:47.9%(890人中426人)

建通新聞(電子版)より

 毎年同系統の問題が出題されるため、合格率は40%程度と高めになっています。また、CBT試験による事前テーマ公表などの影響もあり、令和3年度は例年よりも合格率が高くなっています。

 しかし、対策を怠るときっちりと落とされる試験ですので、記述式、そして得点源となる択一式の勉強はしっかりと行う必要があります。

6. 資格の更新

・登録を申請する際に、建設系CPD協議会に加盟する機関が実施するCPDにおける取得単位数の合計が、所定の単位数以上であること

・登録に必要なCPD単位数は、登録を申請する月の前月から直近の 4 年間で 200 単位とする

シビル コンサルティング マネージャ(RCCM)資格制度規程 より (令和4年 3月)

 RCCMは、継続的に自己研鑽に励み、自らの能力を維持向上させる義務があります。よって、4年ごとに更新を設けており、更新するためには200単位以上のCPD単位が必要になります(過去は100単位や、150単位でもよかったが、これから資格を取る人は200単位)。

 資格取った後も、継続的に勉強しなければならない点は他の資格と違うところですそれゆえに、管理技術者、照査技術者を務めるにたる資格ということだと思います。

7. 資格の使い道

 前述の通り、RCCMは建設コンサルタント業務等において、管理技術者、照査技術者になるために必要な資格です。それゆえ、建設コンサルタント会社では優遇される資格になっています。

 取得するためには、相当量の実務経験が必要であり、基本的に建設コンサルタント会社等の勤務が必要です。しかし、他のコンサルタントへの転職をする際にも有用な資格ですので、受験資格を得たら積極的に受験しましょう。

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