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【RCCM】実践した問題Ⅲの勉強方法を紹介!!

こんにちは、管理人です。夏めく日々をいかがお過ごしでしょうか?今年は、6月より異常な暑さが続いているので、管理人は溶けそうになっています。

 さて、本日は管理人が実践したRCCM問題Ⅲの勉強方法を紹介したいと思います。RCCMの合否は、ほぼ問題Ⅲの評価で決まってきます。しっかりと対策をして、合格を勝ち取りましょう。

こんな疑問に答えます

  • RCCM問題Ⅲってどうやって勉強するの?
  • キーワードってどうやって勉強するの?
  • 記述解答はどうやってまとめていくの?

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1. 問題Ⅲの試験内容

 勉強方法を紹介する前に、問題Ⅲの試験内容を振り返ってみます。

  • 管理技術能力を問う記述式問題が出題される
  • 試験問題は、事前に6テーマ発表される。試験時いずれか1テーマが出題される。
  • 各々のテーマについて、①課題、問題点、②解決策、あり方などを1200〜1600字で記載する。
  • 各テーマにおいて、キーワードが設定される。文章中にキーワード4つ以上用いて解答する。

事前に発表されるテーマは、昨今の社会的問題について国土交通白書をもとに設定されています。参考までに令和4年度のテーマを下記に示します。

  1. 担い手確保と働き方改革
  2. カーボンニュートラルの実現に向けて
  3. SDGsの取り組み
  4. 安全な国土づくり
  5. 維持管理と長寿命化
  6. ICT、IoT、ATの技術の利活用

2. 問題Ⅲの勉強方法

 上記のように事前に問題が公開されているため、それに沿って準備していけばいい訳ですが、ここで何やっていいかわからなくなる人が多いと思います。今回は、令和4年度問題Ⅲ 「3. SDGsの取組み」の解答を作ることを想定して、勉強方法を紹介していきたいと思います。

 設問①、②について、1200~1600 字の間で記述しなさい。次の 7 つの用語「飢餓」「水循環」「エネルギー」「技術革新」「まちづくり」「気候変動」「生物多様性」のなかから 4 つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。 用語は①、②の全体を通じて(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4 つ以上を用いていればよい。

①SDGsの 17 の目標と関連する我が国における社会課題
②社会課題の解決に向けた建設コンサルタントの役割

令和4年 RCCM 資格試験B 出題テーマより

① 情報収集

 まずは、問題のテーマに関して情報収集をします。いきなり文章を書き始められるのなら、勉強は必要ありませんからね。

 さて、どこから情報収集するかですが、ほぼ全ての問題について「国土交通省」に資料が落ちています。ここでは、出題者が問題を作る上で参考にした元ネタをできる限り収集します。

 国土交通省のホームページには、右上にサイト内検索欄があります。そこに、キーワードを入れ資料をあさってみましょう。

 今回は、指定されている7キーワード、持続可能な開発目標(SDGs)などを指定し、適宜資料を集めていきます。また、今回は(2)で「建設コンサルタントの役割」を記載する必要があるので、建設コンサルタント白書内で検索をかけるのもよいと思います。

 検索した資料ファイル(PDF)は、一つのフォルダにまとめておきましょう。だいたい10~20くらいファイルをダウンロードしておけば、次の作業に進むことができると思います。私が集めたファイルはこんな感じです。

資料収集の結果、ファイル名は適当に付けています。

② 資料の読み込み

 集めた国交省資料等を読んでいきます。ここで、ただ読んでいても意味がないので、私は以下のルールを設けて、解答に使えそうな部分を探していきます。

資料を読むときのルール

以下のように色分けをしながら、キーワード課題対応策を整理する。

  • キーワード、またはキーワードの同義語 ⇒ 黄色マーカー
  • 背景、課題など ⇒ 青色マーカー
  • 解決策、対応策、あり方など ⇒ 赤色マーカー

 国土交通省の場合、どの資料にも課題や背景の記載があり、それに対する解決策・対応策が分かりやすくまとめられています。そして、その中に指定されたキーワードが入ってきていると思います。

 RCCM試験問題Ⅲは、(1)では課題、背景(2)では解決策・対応策を問われます。つまり、上記資料内のマーカー箇所を適宜キーワードを混ぜつつ抜き出し、筋道立てて字数内で論述できればそれがそのまま解答となります。

 そのため、①資料集め、②資料の読み込みで、解答の良し悪しは6割がた決まってくると思います。非常に重要な作業です。

読み込んだ資料の一例

 紙印刷をかけると、ご覧の通りです(笑)。私はパソコンの画面上で文章を読むのが苦手なタイプなので、毎回資料は印刷してマーカーを塗りながら、テーマを整理しています。プリンターは何かと勉強するあったら便利だと思います。

③ キーワードごとセンテンスをまとめていく

 ②終了時点で、ストーリーを組み立ててもよいですが、最初はぐちゃぐちゃになってしまい、うまくまとまらないものです。そこで、まずキーワードごと、有益なセンテンスを抜き出してみます。

 よく技術士試験などで「キーワードを勉強する」といわれることがあります。正直、この文言だけでは、「キーワードの勉強って何ですか?」と答えたくなると思います。私は、ずっとそう思ってました。この作業は、その具体例として位置づけできるものだと思います。

 今回の問題で一部まとめてみます。

キーワード センテンス
持続可能な開発(SDGs)
  • 持続可能な開発目標(SDGs) は2015年9月の国連総会において採択(17の目標)
  • 17の目標は相互に関係しており、複数の課題の統合的な解決や、1つの行動によって複数の側面における利益を生み出すマルチベネフィットを目指すことがSDGsの特徴
  • 「SDGs を原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出」を重点事項とした。
  • 「持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備」「省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会」「生物多様性、森林、海洋等の環境の保全」が優先課題として取り上げられ、施策の具体化、拡充が図られている。
飢餓
  • 生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
  • 農業の生産性低下への対応
  • 農業の担い手の高齢化、後継者不足
水循環
  • 水循環:水が、蒸発、降下、流下又は浸透により、海域等に至る過程で、地表水又は地下水として河川の流域を中心に循環すること
  • 健全な水循環:人の活動及び環境保全に果たす水の機能が適切に保たれた状態での水循環
  • 地球温暖化などの気候変動により、水害や渇水などのリスクが懸念。
  • 気候変動による危機的な渇水を想定し、渇水リスクの評価に関する調査研究を行うとともに、リスク管理型の水の安定供給、渇水対応タイムラインの作成等の渇水への適応策を推進。
  • グリーンインフラの整備など森林・河川・農地・都市等での総合的な取組を推進するとともに、持続可能な地下水の保全と利用を推進。
エネルギー
  • 地球では、水や物質、エネルギーなどが絶えず循環。水と一緒に循環するエネルギーや物質についても、利用面で着目することが重要。
  • 下水道が有するエネルギーの重要性に着目し、下水熱の有効利用などによる省エネ・低炭素で持続可能なエネルギーを創出。
  • 雨水・再生水は代替水資源、環境資源、エネルギー資源として期待。
  • 持続可能なエネルギーの確保、低炭素社会の構築(エネルギー循環での取組)、循環型社会の構築(物質循環での取組)
技術革新
  • 産業と技術革新の基盤を作ろう(ゴール9)
  • 地球温暖化への対応は経済成長の制約ではなく、積極的に対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長に繋がるという発想の転換が必要とされている。次世代太陽電池、カーボンリサイクルをはじめ革新的なイノベーション、実用化を見据えた研究開発、世界のグリーン産業を牽引し、ESG(Environment、Social、Governance)投資の拡大も推進しながら、 経済と環境の好循環を作り出す。
  • 「働き方」や「暮らし方」に対する意識や価値観が変化・多様化している現在、 「人間中心のまちづくり」を実現するためには、社会情勢の変化や技術革新に柔軟に対応し、サービスを深化させ続ける都市を実現すること(機動的な柔軟な都市設計)が必要である。 
まちづくり
  • 「まちづくりDX」とは、「豊かな生活、多様な暮らし方・働き方を支える「人間中心のまちづくり」の実現のため、基盤となるデータ整備やデジタル技術の活用を進め、都市における新たな価値創出又は課題解決を図ること」
  • スマートシティの定義は、『都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区』である。
  • 「グリーンインフラ」の社会実装により、SDGsに沿った環境と経済の好循環に資するまちづくりなど、多様な地域課題の同時解決を図る、持続可能で魅力ある地域づくりを官民連携により推進する。
気候変動
  • 短時間強雨や大雨の発生頻度の増加、都市化の影響も加わった気温上昇等の気候変動が顕在化しており、今後もそれらの進行が予想される。
  • 地球温暖化などの気候変動により、水害や渇水などのリスクが懸念。
  • グリーンインフラの取組は、温室効果ガスの吸収源等として、気候変動の緩和に寄与するが、気候変動への適応策としても、一定程度の機能の発揮が想定されるグリーンインフラを既存インフラと相補的に活用して、防災・減災対策を重層的に進めることが有効と考えられる。
生物多様性
  • 生物多様性保全の観点から、グリーンインフラの類似概念のひとつで、防災・減災対策におけるリスク脆弱性低減に、自然環境の機能を活用することを基本とした「eco-DRR」という概念が取り上げられている。
  • 生物多様性は、人類が受けるさまざまな自然からの恩恵の基盤となっており、都市においても生物の生息・生育空間となる緑地等を確保することは重要であり、そのためには都市住民の理解促進も必要である。

 こんな感じにまとめてみると、何となく解答のテーマが見えてくると思います。また、キーワードがそれぞれ共通するテーマで出てきていることが分かると思います。

④ センテンスからテーマを抽出する

 ③の作業をすると、解答するテーマが見えてきます。抽出したセンテンスより、テーマ課題対応策(役割))を考えてみましょう。また、SDGsアクションプラン2021には優先課題が8つ明記されています。これも参考にし、テーマ課題対応策(役割))を考えます。

 一例をあげてみます。完全パクリは技術者倫理に抵触しますが、おおよそこんな内容を想定されていると思います。

課題 背景 建設コンサルタントの役割
持続可能で
強靭な国土づくり

気候変動による異常気象の激甚化

・地方部過疎化による農村、森林の荒廃

水循環変化により。洪水、渇水、生態系(生物多様性)へ影響、激甚な自然災害が誘発。

・農業の生産性低下。将来、飢餓の恐れ。

・環境に配慮した治水、治山対策など
(グリーンインフラの取組等)

持続可能でスマートな
まちづくり

・人口減少、高齢化による都市の空洞化。

・ポストコロナにおける多様な暮らし方。

・コンパクト・プラス・ネットワーク

・デジタル技術の活用による
 まちづくりDXの支援

循環型社会の実現

・化石燃料利用による地球温暖化(気候変動)の助長

・再生エネルギー、脱炭素化技術等のリノベーション(技術革新)の支援、実践

 一通り、キーワードを組み合わせて作れそうな課題、あり方を考えてみました。③の抜き出しより、キーワードを結び付けてテーマを作っているのが分かると思います。自分で想像するものではなく、社会一般で言われていることを結び付けて整理することが大切です。

⑤ 骨子を作り、解答を作っていく

 課題と対応策が見いだせたら、解答を作っていきます。私は、下記のような構成で解答を作成しています。

解答作成の論文構成

  1. 序文 (SDGs17の目標について:300字程度)
  2. ①の解答(SDGsと関連した社会的課題)
    (1)社会的課題1(200字程度)
    (2)社会的課題2(200字程度)
    (3)社会的課題3(200字程度)
  3. ②の解答(建設コンサルタントの役割)
    (1)課題1に対する役割(200字程度)
    (2)課題2に対する役割(200字程度)
    (3)課題3に対する役割(200字程度)
  4. まとめ(100字程度)

 ①課題、②解決策をセットで3点ずつ書くのがよいと思います。それぞれの項目を200字程度で記述する計算になります。200字程度が、情報不足または過多にもならないちょうどよい字数だと思います。ただし、文章を作る中で文字数が多くなってしまう(文字数が必要な)場合は、適宜テーマの数を減らして、それぞれを詳細に書くのも一つの戦略だと思います。

 解答を作るときは、できるだけ集めた資料の言い回し、文意を使うことを心掛けます。その方が解答の矛盾が少なく、オーソドックスな解答が作れると思います。あくまでも問題Ⅲの試験では、「オリジナル」ではなく「オーソドックス」な解答が求められています。

 解答を作る中で、うまく書けない、腑に落ちない場合は、再度③、④へ戻り情報収集、テーマ抽出を行いましょう。③~⑤の推敲を経て、自分が納得できる回答を作り上げましょう。作成した解答は、他の人に読んでもらうのがいいと思います。

3. まとめ

ココがポイント

  • 問題Ⅲは、管理技術能力が問われる問題である。
  • 勉強方法は、国土交通省の公表資料の読込、整理。
  • マーカーペンで整理しながら、読み込むのがお勧め。
  • テーマは、センテンス、キーワードを組み合わせて考える。

 いかがだったでしょうか?参考にしていただければと思います。

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