
こんにちは、いきなり冬型になり寒々い日々を送っております。
先日、ペーロケについて記事を投稿しました。翌日、休日にもかかわらず多くの人が閲覧してくださったようで、結構な需要な高さを感じています。
さて、今回は2次元図面の等高線より、ペーロケ断面を作成する方法を紹介します。概略、予備検討をする際に、最も基本となるペーロケ手法となります。ぜひ参考にしてみてください。
前回の記事はこちらよりご覧ください。
【CADオペレータ】ペーロケ①:国土地理院地図でペーロケ断面を作ってみよう
こんな疑問に答えます
- 等高線によるペーロケってどうやって作られるの?
- 等高線によるペーロケの作業手順は?
- 等高線によるペーロケ時の注意点は?
1. 等高線によるペーロケ原理
まず、等高線からペーロケを行う原理について説明します。等高線のペーロケのイメージを下記に示します。

等高線をもとにペーロケを行う場合、断面線と等高線が交わる位置をプロットし、それらを上図のように直線的に結ぶことで断面図を作成します。CADソフトウェアで断面作成機能がついている場合、断面線上の距離とその高さを読み取って、描画します。
2. 等高線によるペーロケ手順
等高線によるペーロケ手順は、CADソフトウェアによって異なります。また、高さ属性、断面作成機能がついているCADソフトに限られます。ここでは、一般的なCADソフトの断面作成手順を紹介したいと思います。
① 等高線ベクターデータに高さ属性を付与する
CADは、ベクターデータに該当します。ベクターデータは、線データに属性を持たせることができます。断面作成の際にまず、等高線に高さ属性を持たせます。

3次元ビュー機能があるCADソフトで属性付けをした場合、高さ属性を付けた等高線が下図のように立体的に表示されるようになります(ソフトウェアによる)。等高線の高さ付けの確認に利用することができます。

② 断面作成機能により、断面図を作成する。
①等高線の高さ付与終了後、断面作成機能で、ペーロケ断面を作成します。作成方法は、使用しているCADソフトウェアごと異なりますので、お使いのCADソフトのヘルプをご参照ください。
CADソフトウェアによっては、拾った断面データをsimaデータ等でエクスポートできます。
3. 等高線によるペーロケの注意点
等高線によるペーロケは、断面線と等高線の交点を直線状に結ぶため、以下のような注意点が生じます。
① 谷部、頂部の取扱い
同じ高さの等高線で結ばれる谷部、頂部は、上記の例で示したように水平になってしまいます。よって、山の頂部、谷部は、その他の情報(例えば、山頂部の標高)などを考慮し、断面を修正する必要があります。

上図は、先ほどの断面の例に山の頂部の高さ(501.3m)という情報を加えた断面です。より現実に近い山の形になったことが分かると思います。このように、等高線から作られる断面も万能ではないため、適宜修正が必要となります。
② 縦断図、横断図の整合性
道路や鉄道等の帯状の計画を行う場合、縦断図とともに、複数の横断図を作成し、計画の検討を行います。縦断図と横断図では、等高線の交わり方が異なるため、調整なしだと不整合が起きることがあります。
例を見ていきましょう。

上図は、先ほどの例からA-A'断面とB-B'断面(横断図)を切り出したものです。ここで注目するのは、横断図中心線上の高さです。縦断図上では、A-A'断面のGH=495.20、B-B'断面のGH=500.10に対し、横断図のペーロケ断面では、それぞれGH=494.00、500.00と出力されてしまい、縦横断間で高さの不整合が生じます。これは、等高線の交点を自動的に結線していることに起因します。
よって、縦断図、横断図いずれかの高さを修正する必要があります。通常、高さの修正は、横断図を縦断図に合わせて修正します(下図参照)。逆で行うと縦断図が等高線とはマッチしなくなり、実際の地形とはかけ離れたものになってしまいます。

4. まとめ
ココがポイント
- 等高線によるペーロケは、等高線と断面線の交点を直線状に結線することにより作成される。
- 等高線によるペーロケは、等高線の高さ属性付与により、自動的に行うことができる。(ソフトウェアによる)
- 山の谷部、頂部など等高線の情報だけでは、十分に地形を表せない場合もある。適宜他の情報を用いて修正が必要。
- 等高線によるペーロケは、縦横断図間で不整合が生じる。通常、縦断図の高さに合わせて横断図を修正する。
5, 参考ページ
【国土地理院HP】-3ステップで学ぶ地形断面図
【CADオペレータ】ペーロケ①:国土地理院地図でペーロケ断面を作ってみよう