こんにちは、気づいたら梅雨真っただ中。アジサイが映える季節になりました。少しひと段落しましたので、またノウハウ記事を書いていこうと思います。
本日は、CADソフトの図面用紙、部分図の設定についてです。CADを始めたころ、誰もがぶつかる壁だと思います。私自身も座標、部分図の概念が意味が分からず、よく怒られてました。今回の部分は、CADソフトによっても仕様が異なる部分もあると思いますが、ある程度イメージがつくよう書いていきたいと思います。
(CADのソフトにより部分図の考え方が異なる場合があります。)
1. 座標と縮尺
他のイラストレータソフトとは違い、CADソフトには、座標と縮尺という概念が非常に重要になってきます。まず、図面の用紙、部分図に触れる前にこの2つの要素の説明をしていきます。
(1)座標系
道路の線形、構造物の位置などを正確に表現するため、測量、設計の分野では座標系が特に重要となってきます。すべての地物、構造物の位置情報は座標、座標値によって、表現されます。そのため、CAD上でも座標系の設定は、正確に確実に行う必要があります。座標系の種類、重要性については下記のリンクをご覧ください。
【測量士・測量士補】座標系の種類
【測量士・測量士補】座標系の利便性
座標系の設定方法は、CADソフトによって異なりますので、ここではCAD上で用いられる2つの座標系設定(①数学座標系、②測量座標系)について紹介します。
- 数学座標系は、X軸が横軸、Y軸が縦軸の座標系で、用紙の座標系に用いられます。
- 測量座標系は、X軸が縦軸(南北方向)、Y軸が横軸(東西方向)の座標系で、平面図の部分図に用いられます。
基本的に、平面図以外の図面では①数学座標系を用い、②測量座標系は平面図の座標系に合わせ、設定します。

(2)縮尺
実寸大(1/1)の構造をA1用紙上に表現することは困難です。超でっかい紙が必要です(笑)。よって通常は、実際のサイズを一定の割合で縮小して表現します。この縮小割合が、いわゆる縮尺ってやつです。
縮尺は水平、垂直同じ縮率が普通ですが、縦断図など高さをなどを誇張して表現したい場合は、垂直方向のみの縮率を大きくする工夫もします(異縮尺という)
2. 図面の用紙、部分図とは
図面の用紙、部分図は、上記の座標、縮尺を持つ台紙です。よくシートと呼ばれることもあります。
レイヤと少し混同することがありますが、部分図はレイヤ上にかかれた線や点といった要素が張られる台紙なので、レイヤみたいに重ねたりすることはありません。また、部分図は図面上に複数作成することができ、一つの図面上で複数の縮尺、座標系を持たせることができます。イメージで示すとこんな感じです。

部分図もレイヤ同様、適当な要素を整理して納品します。ただし、電子納品チェックの要素には入ってこないので、部分図の縮尺が間違っていたり、座標系が間違っていてもはじかれません。しかし、のちの業務を引き継ぐ業者が困るので、しっかりと部分図上の要素は整理して、無駄な部分図、誤った部分図がないようにしましょう。
3.参考文献
- 平成29年3月 国土交通省 CAD製図基準・同解説 p30