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【CADオペレータ】ペーロケ①:国土地理院地図でペーロケ断面を作ってみよう

 こんにちは、しばらく多忙ゆえに眠ってました。久しぶりに実務ページを更新してみたいと思います。

 今回からペーロケについて書いていきたいと思います。CADオペレータとして「ペーロケができるようになったら一人前」というところがあると思います。今回は、ペーロケ体験として、国土地理院地図でペーロケ断面を作る方法を紹介します。

こんな疑問に答えます

  • ペーロケって何なの?

  • ペーロケ作業のイメージをつかみたい。

  • 簡単にペーロケ断面を作ってみたい。

1. ペーロケとは?

 最初にペーロケの意味を理解しましょう。ペーロケはペーパー・ロケーション(paper lacation)の略語です。

 ペーパー・ロケーションはもともと「計画を現地ではなく、図上(地図上)で検討する」ということを意味しています。しかし、実務上ペーロケといった場合、「図上(地図上)より、検討用の断面図(縦断図、横断図)を作成する」という意味でよく利用されます

 ペーロケのイメージを下記に示してみました。

ペーロケの実務イメージ(いらすと屋を用いて作成)

 上図のように元図(平面図、地図)などの情報より、断面図を作成します。実務では、地形測量を行った平面図やデジタルマッピングデータ(DMデータ)の高さ情報をもとに、断面を作成します。

2. ペーロケ断面を国土地理院地図で作ってみよう!

 さて、ペーロケの概要について説明したところで、簡単なペーロケを体験して理解を深めていきましょう。

 実は、国土地理院地図で簡単にペーロケ断面を作成することができます。今回はその方法を紹介します。

① 国土地理院地図ページを開く

 国土地理院地図を開いてみましょう。一般の人でも一度は使ったことあるのではないでしょうか。

 国土地理院ホームページはこちらから:国土地理院HP

② ツールタブを開いて、断面図を選択

 国土地理院地図の「ツールタブ」より、断面図コマンドを選択できます。

国土地理院地図-国土地理院HPより

③ 描きたい断面を地図上で選択する。

 断面図を描きたい区間を地図上で選択します。すると、自動的に断面図を描くことができます。

国土地理院地図-国土地理院HPより

 適当に断面を作ってみました。二つの道路をまたぐように断面図を作ったので、谷部が2つできていますね。このように現在の国土地理院地図では、おおまかな地形断面を容易把握できるようになっています。

 土木実務では、もっと縮尺が大きい地図(実測平面図、DMデータ)より、このようなペーロケ断面図を作成します。ペーロケの作業自体は国土地理院地図の断面図作成とほぼ同じことをやっていると思っておきましょう。

3. 国土地理院地図の補足

 国土地理院の標高タイルデータは、5mメッシュDEMデータ等が元となっています。そのため、広域の断面図作成に関しては問題はあまり生じませんが、地図情報レベル500~2500程度のペーロケ検討には、荒すぎて用いることができません。そのため、別途平面図、DMデータによるペーロケが必要となってきます。

 より詳細なペーロケ断面の作成方法については、こちらの記事を参照してください。

【CADオペレータ】ペーロケ②:等高線からペーロケ断面を作ってみよう。

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 地理院地図の標高データの解説については、下記をご覧ください
【国土地理院HP】標高タイルの作成方法と地理院地図で表示される標高値について

 また、国土地理院地図のデータはQGISで取り扱いが可能です。下記の書籍が参考となります。ご活用ください。

4. まとめ

ココがポイント

  • ペーロケとは、ペーパー・ロケーションの略で「計画を図上(地図上)で検討する」ことを意味する。
  • ペーロケは実務上では、「図上(地図上)より、検討用の断面図(縦断図、横断図)を作成する」こと意味することが多い。
  • 国土地理院地図の断面図作成を用いれば、簡単にペーロケ断面を作成できる
  • 詳細なペーロケ断面は、別途ペーロケ作業が必要となる。

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