こんにちは、GWをいかがお過ごしでしょうか。私は、絶賛引きこもり中です。今回は、測量で用いられる「座標系」について、その利便性を簡単に紹介したいと思います。
「座標系なんてわかったところで、大して変わらないじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、実際この座標系という考え方がわからないひとが結構います。基本を大切にしていきましょう。
測量は、いろんな種類がありますが、基本的には”地物・地形の位置関係を測り、図化する”必要があります。では、地物の位置関係を表すにはどういった方法があるでしょうか。次の例を見てみましょう。

上図のように道路上に点Pが存在します。点Pの位置を表現するとき、どのように表現するでしょうか?
多くの方が建物などからの方向・距離で点Pの位置を表現するのではないでしょうか。例えば・・・

① 建物Aの南東隅より、南側に3mに位置する点
② マンホールの中心から西側に8mに位置する点
③ 建物Bの北西隅より、北東方向に5mに位置する点
といった具合に点Pの位置を表すことができます。
上の表現の仕方は、いずれの方法も正しいです。しかし、人によって位置の表現方法が異なると、同じ点でも別の言い方をされてしまい、非常に不便です。また、上述のとおり、表現方法についても非常にわかりずらいものになります。
そこで、登場するのが座標系という考え方です。

上図はあるポイントを原点として、X軸を北、Y軸を東に取った座標系を重ねた図になります。上のような座標系を用いることにより、点PはX軸とY軸の座標によって管理できるようになります。上の例では、点Pは(X,Y)=(50,60)と一つの表現方法に定まります。

また、他の地物の位置関係についても、同じ座標によって表現することが可能となります。上図は先ほど、点Pを表すときに用いた地物の位置を座標によって表した図となります。
以上のように、一つ座標系を定めることにより「地物・地形の位置関係を座標という統一的な表現方法で記述する」ことが、座標系を用いる最大のメリットといえます。