測量士・測量士補 分野別解説

【測量士・測量士補】土方カーブ式①:公式と利用方法

 こんにちは、夏場になり、アスファルトの上が灼熱地獄となっています。1日の現場で3ℓのスポーツ・ドリンクが消えていきます(笑)。

 さて、本日は「土方カーブ」の計算方法を紹介します。カーブの中点を簡便的に出す方法とし、施工現場で重宝される公式の一つです。単純に公式だけ覚えても面白くないため、数学的な導入にも挑戦したいと思います(別の記事で解説します)。

1. 土方カーブの公式

 土方カーブの公式は、弦長(C)を二等分したときの、中央縦線M(1、2)に以下の関係が成り立つものです。なお、R:曲線半径、I:中心角、C:弦長とします。

 $$M1≒\frac{C^{2}}{8R}、 M2=\frac{1}{4}M1$$

 一つ目の式\(M1≒\frac{C^{2}}{8R}\)は、中央縦線M1の近似値を求める方法です。2つ目の式は、中央縦線M1,M2の関係性を表します。よく「1/4カーブ式」と呼ばれますが、2つ目の式が所以となっています。

 本公式が便利なのは、「弦長Lと曲線半径Rが既知であれば、簡単に円の設置ができる」という点です。例を見てみましょう。

2. 土方カーブの利用例

 例:現場にてR=100、I=90°の円弧を引くことを考えます。円弧中心、円弧起点、終点が分かっているとします。

① BCとECの弦長を結び、中点を定める。

 まず、BCとECの弦長の中点を定めます。上記例では、BC⇒EC間の弦長C=141.4となり、その中点Nを定めます。

② 中央縦線M1を定め、円弧上の点Cを求める。

 次に、中央縦線M1を求めます。上記公式より、Mの近似値を求めると

$$M1=\frac{141.4^{2}}{8\times{100}}=24.99≒25.0$$

 よって、円弧上の点C1を求めると下記の通りなります。

③ ①、②を繰り返す

 上記①②を繰り返します。この際、\(M2=\frac{1}{4}M1\)より、M2=6.25となります。

  以上を繰り返すことにより、より滑らかな円弧を描くことができます。

3. 参考ページ

 近日中に、「土方カーブの導き方」の解説ページを公開する予定です。「なぜ、土方カーブが導かれるか」頑張って解説しましたので、よかったら、覗いてみてください。また、中央縦線の理解も必要なので、下記のページも参考にしてみてください。

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