こんにちは、9月に入り少し涼しい日が増えてきました。今日は、路線全体の高低差を求めてみたいと思います。「レベルを用いて高低差を求める知識」が必要なので、前の記事も併せてご参照ください。
【測量士補・測量士】水準測量の原理①-レベル、標尺を用いた高低計算
上図のように、A~Dまで水準測量を行い、高低差を求めたい。上図のように3カ所で前視・後視を測定した。AとDの間高低差はいくつか。

1. それぞれの点間で高低差を求める。
2点間の高低差は以下の公式で求められます。
⊿h=B.S-F.S
各々の観測で、高低差⊿hを求め、合計すればAとDの高低差が求まります。

上図のように、各点の高低差が求められます。よって、AD間の高低差⊿Hは
⊿H = +1.54 - 0.60 + 1.04=1.98(答え)
と求めることができます。
2. 観測結果からまとめて求める
実際の測量では、上記のように一つ一つ計算しては手間なので、後視・前視の結果をまとめて使用します。
さきほどの計算は、各点間の高低差を一つ一つ求めて計算しましたが、式をよく見ると、以下のように書き換えることができます。
⊿H = ⊿h1 + ⊿h2 + ⊿h3
=(B.S1-F.S1)+(B.S2-F.S2)+(B.S3-F.S3)
=(B.S1+B.S2+B.3)-(F.S1+F.S2+F.S3)
よって、AD間の高低差(路線全体の高低差)は
⊿H=(後視観測値の合計)-(前視観測値の合計)
とまとめることができます。
実際の水準測量では、以下のような表で高低差を計算します。
測点 | 後視(B.S) | 前視(F.S) | 高低差 |
A | 2.38 | ||
B | 1.08 | 0.84 | |
C | 1.72 | 1.68 | |
D | 0.68 | ||
合計 | 5.18 | 3.20 | 5.18-3.20=1.98 |
いきなり、上記のように一気にやるとわからなくなることがあるので、最初はしっかり原理を理解して、一つ一つやる方法が個人的にはおすすめです。