測量士・測量士補 分野別解説

【測量士・測量士補】誤差の基礎知識:⓪誤差の種類

 こんにちは、今週は最大寒波、いかが乗り越えているでしょうか?エアコンがん付けで乗り越えようとしたら、電気代がえらいことになりました(涙)。

 本日は、誤差シリーズのイントロダクション(誤差の種類)を書いていきます。すでに1回目は書いているのですが、記事のバランスも見てリライトしていく予定です。

こんな疑問に答えます

  • 誤差ってどんな分類ができるの?
  • それぞれの誤差の取扱いは?
  • それぞれの誤差が生じたときのイメージは?

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1. 誤差の分類

 測量などの観測には、必ず誤差が生じます。誤差は性質により、以下の3つに分類することができます。

誤差の分類

(1)系統誤差(Systematic error)
  一定条件下で、一定量の誤差が生じる(誤差に法則性がある)もの。

(2)偶然誤差(random error)
  一定条件下でも、生じる誤差がランダムなもの。

(3)過誤(mistake)
 観測ミス(目盛り読み間違い、記帳ミス)で生じたもの。

2. 各々の誤差事例、測量時の取扱いなど

 誤差の種類により、誤差事例、測量時の誤差の取扱いが異なります。

(1)系統誤差(Systematic error)

 ① 誤差の事例

 器械誤差(例:目盛り誤差など)、物理誤差(例:トータルステーションの気象誤差など)、個人誤差(例:観測時の癖)などが該当。

 ② 測量時の取扱い

 補正式等で、できる限り誤差を小さくする。

(2)偶然誤差(random error)

 ① 誤差の事例

 原因不明の誤差。事象のばらつき。

 ② 測量時の取扱い

 最小二乗法(平均)を取ることにより、観測値を調整する。

(3)過誤(mistake)

 ① 誤差の事例

 記帳間違い。目盛りの読み間違い。

 ② 測量時の取扱い

 点検計算を行い、許容値を満たさない場合再測等をする。

3. それぞれの誤差のイメージ

 上記誤差のイメージを射的で表現してみます。

 的の中心を狙い、射的を行います。しかし、銃には狙いよりも若干上に球が命中する細工がされているとします。(細工を知らない人が)この銃を用いて、射的を行った場合、以下の図ような結果が得られたとします。

いらすとや素材を使用

 このとき、それぞれの誤差は、図のように現れます。それぞれの誤差の要因は、以下の通りに分類できます。

(1)系統誤差(Systematic error)
 銃の細工によって生じた上方向の誤差

(2)偶然誤差(random error)
 ランダムに生じたもの。銃のもともとの精度。

(3)過誤(mistake)
 打ち間違い、失敗など。

 測量において、(1)(3)を極力排除し、(2)の誤差を平均化することで、誤差を最小限にしています。測量規定において、上記の思想が根幹にあることを覚えておきましょう。

4. まとめ

誤差の分類 誤差の概要 誤差の事例 誤差の取扱い
(1)系統誤差
(Systematic error)
一定条件下で、一定量の誤差が生じる(誤差に法則性がある)もの。 器械誤差、物理誤差、個人誤差など 補正式等で縮小化
(2)偶然誤差
(random error)
一定条件下でも、生じる誤差がランダムなもの。 事象のばらつきなど 平均計算で最小化
(3)過誤
(mistake)
 観測ミスで生じたもの。 記帳ミスなど 点検計算等を実施し、許容値以上なら再測

5. 参考過去問

【測量士補 過去問解答】令和2年(2020)No.6 正誤付き選択肢

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