こんばんは、本日は重み平均、また試験でよく出る重みの求め方をまとめていきたいと思います。先日、試験の延期発表がされましたが、やっていきましょう。
1. 重量平均の公式
重量平均は、以下の公式によって求めることができます。
$$l=\frac{\sum_{i=1}^{n}p_{i}l_{i}}{\sum_{i=1}^{n}p_{i}}=\frac{p_{1}l_{1}+p_{2}l_{2}+\dots+p_{n}l_{n}}{p_{1}+p_{2}+\dots+p_{n}}$$
\(l\):重量平均、\(p_{i}\):観測の重み \((i=1,2,3,4,\dots,n)\) 、\(l_{i}\):観測値 \((i=1,2,3,4,\dots,n)\)
公式で書くと、何をどう計算しているかさっぱりイメージが湧かないと思います。ひとまず、具体例で見ていくことにしましょう。
2. 重みづけのイメージ
例題:3クラス(1組、2組、3組)でテストを行い、それぞれのクラスの平均点が61点、78点、80点だった。1組20人、2組30人、3組25人のとき、1~3組、全体での平均点を求めよ。
中学生でも解ける問題ですね。以下のように、立式して多くの方は解いたのではないでしょうか?
$$\frac{20\times61+30\times78+25\times80}{20+30+25}=74.666$$
上記の式が、1で挙げた重量平均の公式そのものであることに、気づけるでしょうか?それぞれ対応を見てみます。

重みが各クラスの人数、観測値が各クラスの平均点と対応しています。つまり、重みは観測回数や人数など、同じ値を積み重ねた回数というイメージを持っておくと、いざという時に重量計算の公式を導けると思います。
3. 試験でよく出る重みの求め方
重みのイメージをつけていただいたところで、試験で出やすい重みについてまとめていきたいと思います。ここについては、試験を受けるだけであれば、丸暗記するほうが楽です。重みの数学的、統計学的定義になると大変です・・・(いつか記事にはしてみたい)
(1)測定回数の異なる場合
重み代表みたいな項目です。例えば、TS、レベル等で想定回数が異なるときに、重量平均を求める問題がでます。
上でお話しした通り、測定回数=観測値の重みとなります。つまり、TS(A)で3回、TS(B)で2回、TS(C)で4回観測した場合の重みは、
$$A : B : C=3:2:4$$
となります。
(2)観測距離が異なる場合
こちらは試験用代表みたいな項目です(笑)。2年に1回くらい出題されています。例えば、異なる既知水準点から一つの新点を観測したときに、重量平均を求める問題が出ます(問題はこちら(R元年度No.13(補)))。
この場合は、距離に反比例し、重みが大きくなります。つまり、観測距離の逆数=観測値の重みとなります。
例えば、新点Pについて、Aからの観測距離が1km、Bからの観測距離が2km、Cからの観測距離が8kmのとき、それぞれの観測値の重みは
$$A:B:C=\frac{1}{1}:\frac{1}{2}:\frac{1}{8}=8:4:1$$
となります
(3)標準偏差が異なる場合
測量士のレベルになると、標準偏差が異なる場合の重量平均を問われます。本来であれば、誤差伝搬の式より、導く作業が必要となるのですが、覚えたほうが早いです。(こちらについても、いつか導き方を記事にしたいです)
標準偏差の逆数の2乗=観測値の重さとなります。例えば、Aが標準偏差1、Bが標準偏差2、Cが標準偏差4のとき、それぞれの観測値の重みは
$$A:B:C=\frac{1}{1^2}:\frac{1}{2^2}:\frac{1}{4^2}=16:4:1$$
となります。
4. まとめ
以下に、本記事の要点をまとめます。
- 重みは、観測回数や人数など、同じ値を積み重ねた回数というイメージを持ちましょう。例題を覚えておくと自ずと公式を導けます。
- 測量士補のレベルであれば、3.(1)測量回数、3.(2)観測距離の重みを求めることができれば、試験で対応することができます。
- 測量士では3.(3)も問われます。覚えておくのが吉。
- 誤差伝搬の式より、重みを求めることができるが、基本的には問題を解くために式を覚えておくほうがよい。