測量士・測量士補 分野別解説

【測量士】試験突破ポイントを伝授:勉強の優先順位、ポイントを解説

 こんにちは、寝正月を過ごし、完全にブログ更新をさぼった管理人です。1/5より、測量士補・測量士の受験申込が始まりました。申し込みが30日(消印有効j)までなので、受験する方は、早めに申し込みをしましょう。

 さて、本日は【測量士】の試験突破ポイント(勉強の優先順位)をまとめていきます。参考にしていただけたら幸いです。

こんな疑問に答えます

  • 測量士試験って何を勉強すればいいの?
  • 測量士試験対策の優先順位は?
  • 記述式試験はどうやって対策するの?
  • 勉強時間はどれくらい必要なの?

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1. 試験概要

 <測量士>
管理技術者として必要となる、測量技術及び測量成果の管理・評価に関する知識を問う。
試験方式:マークシート式 28問(700満点) 
記述式:必須:300点 選択:200×2科目 (700満点)
マークシートが400点以上(16/28) かつ 合計で910点以上で合格

国土地理院HPより

 マークシート式、記述式がそれぞれ700点ずつの計1400点満点の試験です。合格するには、910/1400(65%)必要です。測量士補と合格に必要な正答率は同じですが、難易度はぐっと上がります。次の節でその理由を解説し、勉強の戦略を考えます。

2. 試験合格の戦略

 測量士試験は測量士補試験と違い、捨て問を作ることは許されません。詳しくはこちらの記事で紹介しています。記述式試験で6割以上とるのが非常に難しい試験になっているため、択一式試験でできる限り点数を稼ぐことが要求されます。それゆえ、択一式範囲で捨て問を作れず、確実に合格するためには試験範囲を、網羅的に相当量勉強する必要があります。

 そのため、勉強の優先度は、択一式>>記述式となります。それぞれの試験対策を解説していきます。

(1)択一式(マークシート式)

 択一式試験内の勉強の優先順位を図でまとめてみます(あくまで私的です)。

ここがポイント!

① 測量数学が最優先。他の分野にかかわるので、これができないと土俵に立てない。

② 路線測量は稼ぎ分野。クロソイド曲線が出てくる以外は、ほとんど測量士補と同様の勉強で対応可能。

③ 写真測量、地図編集は、過去問と準則をもとに対策。経験少ない分野だが、捨て問は作れない。

 測量士試験は、測量数学の理解が、非常に重要となります。択一式で計算問題は毎年8問程度出題されます。このうち、行列式、誤差伝搬がかかわる問題は4問程度出題(100/700)されてますので、かなりウェイトが大きいと思います。

 また、基準点測量、水準測量を午後の試験でとる場合は、行列、誤差伝搬の理解は必須となります。数学が苦手な方、または統計学に触れたことがない方は、理解に時間がかかる分野ですので、真っ先に取り組むべきだと思います。

 勉強する参考書として、「最小二乗法と測量網平均の基礎」がお勧めです。書籍半分くらいまで読み進められれば、測量士試験の対策ができると思います。

 測量士試験では、GNSS、レーザースキャナー等の問題が増加しています(近年では8問程度出題)。こちらもウェイトが大きく、原理が理解しずらいところがあるので、早めに取組む必要があると思います。

 残りの問題は、過去問を解いたり、準則を読み込んだりしていれば、自然と得点につながっていく分野だと思います。特に路線測量は、問題が固定されている分野なので、確実に満点取れるよう勉強しましょう。測量法、JPGIS関係は、記述式試験の対策をする中で勉強できますので、意識して勉強する必要はあまりないと思います。

(2)記述式

① 必須問題の対策

 記述式では、まず、問題Ⅰ(必須)で確実に点数が取れるよう勉強します。問題Ⅰは例年、以下のような問題構成となっています。

問題 出題内容
1-A 測量法の穴埋め問題
1-B 測量種類の分類、測量作業の対応方法など
1-C 公共測量の手続き、実施計画書の記載項目など
1-D JPGIS、技術的助言の内容について、測量の積算、ICT、精度管理、など

(年により、問題構成が変化する場合があります)

 例年、問題A~Cまではおおよそ固定しています。問題Dは、年によって出題範囲にばらつきがありますが、GNSSやICTといった分野の出題が多いような気がします。

 かなり過去問の焼き回し、類似問題が多いため、過去問で出てきた問題を確実に取れるよう勉強します。出題範囲がばらつくDは、本番点数取れない可能性もありますが、A~Cができていれば5割以上は確保できますので、できる問題を確実に解くことが重要となります。

②-1 選択問題の対策(2.基準点測量)

 選択問題では、管理人が基準点測量、路線測量を選択したため、この二つの解説のみとなります。

 基準点測量は例年、以下のような問題構成となっています。

問題 出題内容
2-A 基準点作業の穴埋め問題
2-B GNSS、TSの作業計画、観測の点検方法、観測精度の確認項目
2-C セミダイナミック補正、バイリニア補間法など
2-D 水準測量、観測方程式による最確値の算出

(年により、問題構成が変化する場合があります)

 A,D問題は、毎年ほぼ固定。B、Cに関しても過去問数年分解いていれば、数値を入れ替えた問題、条件を変えただけの問題が出てきます。よって、過去問で出てきた問題を確実にできるようにすれば、5割以上はとれるようになると思います。

 特にA問題は、穴埋めの形式は毎年変わりますが、結局問題の本質は同じなので、確実に得点できるよう勉強しましょう。

②-2 選択問題の対策(5.路線測量)

 路線測量の問題は、以下のような問題構成となっています。

問題 出題内容
5-A 路線測量の作業工程
5-B クロソイド曲線、曲率図の作成
5-C 用地測量の作業工程、幅杭図示問題
5-D 河川測量の作業工程、定期横断測量の計算問題

(年により、問題構成が変化する場合があります)

 路線測量の問題は、毎年ほとんど同じ題材が出題されています。よって、過去問を解くことで知識を整理、理解することができれば、かなり高得点が狙える分野となっています。多くの方が、測量実務でも経験があると思いますので、選択する方も多いのではないでしょうか?

 注意点としては、大問が最後なので後回しにして時間切れになることがあります(管理人は基準点測量に時間を取られて、路線測量が半分くらいしか解けなかった)。他の大問よりも優先して解答した方が、トータルの点数は上がると思います。

3. 勉強方法と勉強時間

(1)択一式

 択一式の勉強方法は、測量士補の時と同様、過去問を使ったノート作成です。ダメもとで1年分解いてみて、その後、参考書を読みながら解答を導くノートを作成します。作成方法は、下記のページを参照してください。

【測量士・測量士補】試験対策:マークシートに効果絶大な勉強方法

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 測量士補のときは、ノート2冊程度(作成時間は2カ月程度)でしたが、測量士のときは、ノート3冊(作成時間3カ月程度、4年分作成になりました。問題の難易度も高いので、測量士補のときよりも1,2カ月時間がかかると思います。

(2)記述式

 記述式試験は、参考書を見ながら解答を作っていく勉強がお勧めです。何も見ずに解こうとすると、何もわからず終わってしまうので、解きながら知識を整理していく方が、タイムロスがなく勉強できます。

 勉強する際、下記のようなノートを作成していきました。

 少し面倒ではありますが、問題をすべてノートに貼り、その横に問題の解答・解説を自分で作成していきます。ここで重要なのは、解説もちゃんと作成するというところです。単なる穴埋め問題も、その周辺の知識をとりまとめることで、理解につなげていくことが大事になります。

 作成したノート数(過去問3年分)は、4冊(必須2冊、選択2冊)で、作成時間は1カ月半でした。ただ1カ月半はかなり詰め込んだスケジュールだったと思うので、もう少し時間を取って勉強するほうがよかったなと思います。

4. まとめ

ココがポイント

  • 測量士対策では、まず測量数学が最優先。
  • その他の分野は、過去問を通じておのずと理解できるようになる。
  • 記述式試験は、過去問を解きながら整理する。
  • 勉強期間は、約3~4カ月程度見ておくとよい。

【測量士・測量士補】資格試験概要:試験内容から勉強期間、参考書まで

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