【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識②:曲率とクロソイド基本式

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こんにちは、緩和曲線の基礎知識②です。今回は、クロソイドの基本式まで導いてみましょう。

1.曲率の定義と曲率図

具体的な緩和曲線に触れる前に、曲率の定義をしたいと思います。

曲率は「カーブのキツさ」を表し、以下のように円弧半径の逆数で示されます。

曲率:\(\frac{1}{R}\) (R:円弧半径)

この曲率は、直線の時\(\frac{1}{R}=0\)となり、曲線半径が小さくなればなるほど大きくなります。つまり、きついカーブであればあるほど、曲率は大きくなるわけです。(なので、言葉は乱暴ですが上記で「カーブのキツさ」と表現しました。)

道路の線形要素を曲率を用いて表した図を「曲率図」といいます。縦断図(道路をセンター軸で切った断面図のこと)の下の欄についているのを見たことある人もいると思います。

単曲線を例に、「曲率図」を見てみましょう。

上記はR=100の単曲線とその曲率図です。図の通り、BCとECで曲率が0⇔1/100へ変化しているのが分かると思います。この変化は、BC、ECの点で瞬間的に移り変わっているのが、曲率図よりわかると思います。

このような曲率変化を車で再現しようとすると、BC、ECで曲率に合わせて瞬間的にハンドルを切らなければなりません。そんなことは現実的に不可能です。そのため、曲線半径の小さい単曲線は、走行上不快になり、時に危険になります。

2. 緩和曲線(クロソイド)の導入

上述のような危険性を伴うため、ハンドル操作を考慮した緩和曲線を、直線と円弧の間に挿入します。道路の場合、この緩和曲線はクロソイド(Clothoid)と呼ばれる曲線を採用しています。

クロソイド曲線は、距離に応じて曲率が一定の割合で増加する性質を持ちます。

上のグラフのように、クロソイドでは曲率と距離が比例関係になります。ここで、cを比例定数とすると、以下の式が成立します。

$$\frac{1}{R}=c\times{L} \Longleftrightarrow{R\times{L}=\frac{1}{c}}(一定)$$

ここで、1/cを扱いやすいように文字に置き換えます。ここでは、左辺がRとLの長さの掛け算となっているので、それを考慮し、\(\frac{1}{c}\)を\(A^{2}\)と置き換えます。

$$R\times{L}=A^{2}$$

この式が、クロソイドの基本式と呼ばれます。

Aはパラメータと呼ばれ、クロソイド曲線の曲率の増加度を表します。もっとかみ砕いていえば、車のハンドルを回すスピードを表しています。Aの値が小さければ、より急激に曲率が増加する、すなわち、より速くハンドル操作が必要となる緩和曲線となります。

また基本式より、R、L、Aはそれぞれ任意に決定できるわけではなく、どれか二つの要素が決定してしまうと、最後は自動的に決定してしまうことがわかります。例えば、R=100、A=60と決定しているとき、緩和曲線長Lは自動的にL=36と決定してしまいます。

つまり、クロソイド曲線はR、L、Aのいずれか2つの要素により、形が決定することができます。

3. クロソイド曲線と曲率図

最後に、クロソイド曲線が入ったカーブの曲率図を描いてみましょう。クロソイド曲線では、距離に応じて曲率が一定の割合で増加するので、カーブ全体の曲率図は下図のようになります。

オレンジ色の部分がクロソイド曲線です。この長さの分だけ、ハンドルを回す距離(時間)が与えられるので、単曲線に比べ、スムーズに車が曲がっていくことができます。

4. まとめ

  • クロソイド曲線は、曲率(1/R)が距離(L)に応じて、増加する曲線
  • R×L=A^2という基本式で表され、うち2要素が決定すれば、曲線の形が決定される。
  • Aはパラメータと呼ばれ、車のハンドルを回すスピードを表す。
  • クロソイド曲線を用いることで、より車が描く軌跡に近い形となり、より円滑にカーブを走行する線形となる。

5. 参考ページ

【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識①:緩和曲線とハンドルの動き
【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識③:クロソイドの構成要素をまとめてみた。
【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識④:基本型クロソイドの構成要素と覚えておくべき公式をまとめてみた。

【測量士 過去問解答】 令和元年(2019) No.25

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