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【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識①:緩和曲線とハンドルの動き

こんにちは、10月ももう終わりで、葉も落ちてまいりました。冬支度をして暖かく過ごしたいものです。

さて、今回より数回緩和曲線(クロソイド)について書いていきます。測量士の試験では、毎年出題されますし、道路設計をするうえでも欠かせない曲線です。丸暗記ではなく、理解をしながら覚えていきましょう。また、できるだけ理解しやすいようにかみ砕いて記事にできればと思います。

1. 単曲線とハンドルの動き

以前、単曲線の性質について記事を書きました。ここでおさらいしてみましょう。単曲線は、以下のように直線なす角に円が内接することで描かれます。

このときの自動車のハンドルの動きを考えてみましょう。

車が円弧を描くためには、ハンドルが回った状態になります。そのため、上記のような単曲線を車が描くためには、瞬間的にハンドルを回す必要があります。

図で表すとこんな感じ。

青の直線区間は、ハンドルを真っすぐにし、赤の曲線区間では一定量ハンドルを回した状態にします。このような軌跡を描くためには、BCとECで瞬間的にハンドルを操作する必要があります。そのため、現実的に車が単曲線の軌跡を描くことは不可能です。

2. 緩和曲線とハンドルの動き

上記のように、車は単曲線の軌跡を描けないことから、直線と円弧の間に曲線を入れます。この直線から円弧へ移行するときの軌跡を、緩和曲線といいます。

緩和曲線が入ったときの、カーブの構成を見ていきましょう。

先ほどの単曲線の要素に加え、オレンジ色で示した緩和曲線が追加されています。緩和曲線は、直線と円弧の間に挿入され、車のハンドルをちょうど回している(もしくはハンドルを戻している)ときの軌跡を描きます(ひとまず、詳しい理論は置いておきましょう)。

直線から緩和曲線へ移行するときの点をBTCBeginning Transition Curve)、緩和曲線から直線に戻る点をETCEnd Transition Curve)と呼びます。クロソイドの場合、別の呼び方もありますが、ひとまずこの呼び方を覚えておきましょう。

3. 参考ページ

【測量士】緩和曲線の基礎知識②:曲率とクロソイド基本式
【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識③:クロソイドの構成要素をまとめてみた。
【測量士】緩和曲線(クロソイド)の基礎知識④:基本型クロソイドの構成要素と覚えておくべき公式をまとめてみた。

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