測量士・測量士補 分野別解説

【測量士・測量士補】座標法公式の導き方・考え方

こんにちは、雨の日が続いています。本日は用地測量の求積でよく用いられる、座標法公式の考え方・試験に解くときの計算の手順を説明したいと思います。

1.座標法の公式

座標法の公式は、参考書等に以下のように書かれています。

$$S= \frac{1}{2}\times\sum_{i=1}^{n}X_i(Y_{i+1}-Y_{i-1})$$

例えば、下図のような四角形を求積する場合、座標法を用いると以下のように求めることができます。

$$S=\frac{1}{2}\times{(x1(y2-y4)+x2(y3-y1)+x3(y4-y2)+x4(y1-y3))}$$

式の形はきれいなんですが、初めて公式を使う人にとっては式の意味が分からず、ただただ丸暗記になってしまうと思います。

2. 座標法を忘れてしまった時の対処法

上記のように公式はきれいな形をしていますが、間違って使用したり、度忘れしてしまうこともあると思います。そのときの対処法を説明します。

上記の例の面積を求めるとき、とりあえず何も考えずにX軸(もしくはY軸)に対して、各点より垂線を下ろしましょう。

上記の図の中に、いくつかの台形が含まれているのが見えますか?これらの台形の足し引きによって、四角形ABCDの面積を求めることができます。

上記の例だと、ピンク色の大きな台形からあと3つの台形を引くことで求められます。下図のとおりです。

上記4つ(ピンク黄色)の面積を求めてみる。(上記の図とは、x,y軸が逆になってます。座標法の公式と合わせるためなので、目をつぶってください)

台形ピンク=1/2×(x3+x4)×(y3-y4)
台形黄色 =1/2×(x1+x4)×(y1-y4)
台形緑  =1/2×(x2+x1)×(y2-y1)
台形青  =1/2×(x3+x2)×(y3-y2)

上図に従い、台形の足し引きをしていくと、同一点の掛け算(例えば、x1×y1 など)が消え、以下のように面積が求まります。

S1/2 ×{(-x3y4 + x4y3)(-x1y4 + x4y1)(-x2y1+x1y2)(-x3y2+x2y3)}

上記式を整理すると(上記の座標法の公式と合わせるため、全体に-1をかける)

$$S=\frac{1}{2}\times{(x1(y2-y4)+x2(y3-y1)+x3(y4-y2)+x4(y1-y3))}$$

となり、結局座標法で面積を求めたことと、同義になる。座標法に自信がない、忘れてしまったというときに、それぞれの台形の面積をゆっくり求めていきましょう。

3. 座標法計算の手順

2.の方法は、座標法が慣れていない、もしくは試験中忘れてしまったという方の手段です。できれば、座標法を用いて問題は解きたいところです。以下に座標法計算の手順を書いてみたいと思います。

① 図をしっかり書き、図形を把握する

当たり前のことかもしれませんが、しっかり図形を書きましょう。しっかり図形を書けば、座標法以外の方法で面積を求めることが思い浮かぶかもしれません。

② 基準を決め、順番に番号をつける

次が少し重要なのですが、基準の座標を決め、そこから順番に番号を付けます。座標法は、互いに結ばれる座標値により、計算が行われるため、番号順が狂っていると、誤った値が出力されます。ここでは、最も原点に近いものを1番目とし、時計回りに番号をつけていくことにしましょう。

③ 表を作成し、値を入れて計算する。

X座標 Y座標 Yi+1-Yi-1 Xi(Yi+1-Yi-1)
A x1 y1 y2ーy4 x1(y2ーy4)
B x2 y2 y3ーy1 x2(y3ーy1)
C x3 y3 y4ーy2 x3(y4ーy2)
D x4 y4 y1ーy3 x4(y1ーy3)
      合計(×1/2) S

座標法を用いる場合は、必ず上のような図を作成して計算しましょう。ここで、Yi+1ーYi-1の欄だけ間違えやすいのですが、基本的には対象となる点の、下の段がYi+1、上の段がYi-1と認識しておきましょう。

あとは、計算ミスに気を付けて計算していくだけです。

4. 座標法を用いる過去問

測量士補・測量士試験ともに、ほぼ毎年出題されます。座標法をマスターして確実に点数を取りたいところですね。

【測量士補 過去問解答】 令和元年(2019) No.27
【測量士補 過去問解答】 平成30年(2018)No.27
【測量士補 過去問解答】 平成29年(2017) No.27

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