【測量士】JPGISについて、まとめてみた。

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こんにちは、今年の春は非常に暖かいですね。2週間程度季節が進んでいるように思います。

さて、本日ですがJPGISについて、測量士試験でよく聞かれる内容を中心に、まとめていきたいと思います。なかなか体系的にまとめているページ・書籍がなく、苦労した人も多いと思います。参考にしていただければ幸いです。

1. JPGISとは

地理情報標準プロファイル(JPGIS: Japan Profile for Geographic Information Standards)は,地理情報規格群(地理情報に関する国際規格(ISO 19100 シリーズ)及び日本産業規格(JIS X 7100 シリーズ))の中から,地理空間情報の概念スキーマを記述し符号化するために必要となる基本的な要素を抽出し,体系化したものである。

令和元年 地理情報標準プロファイルJapan Profile for Geographic Information Standards (JPGIS)2014より

 上記が、国土地理院HP等で記載されているJPGISの説明です。いろいろ難しいことを書いているように見えますが、要は「誰もが地理空間情報を使える(データ間の相互互換性が図れる)ように、地理情報の標準仕様を定めたもの」と理解しておくのが良いと思います。

 いくつか聞きなれない単語がありますので、下記で説明します。

(1)国際規格(ISO 19100 シリーズ)

 国際標準化機構が発行する地理情報に関する国際規格の総称。具体的な内容は、下記の国土地理院HPから確認することができます。

ISO/TC211ドラフトの要約-国土地理院HP

(2)日本産業規格(JIS X 7100 シリーズ)

 ISO 19100シリーズをもとに、制定された地理情報の国内規格。基本的には、ISO19100の和訳ですが、現規格を逸脱しない範囲で、国内仕様が追加される場合があるようです。

(3)基本要素の抽出、体系化

 上記(1)(2)は、作業規格ごと項目わけがされています。(例えば、JIS X 7108:2004 地理情報-時間スキーマ、JIS X 7109:2009 地理情報-応用スキーマのための規則というように項目分けされている。)それぞれの項目は、非常に細かく、専門的であるため、普及面に問題がありました(ごく一部の専門家しか理解が追い付かないような内容と思ってください。原文見ても何書いてあるかわからないレベルです)。

そこで、地理空間情報のいわば大衆化を目的に、国土交通省国土地理院によって、上記(1)(2)の必要最低限の要素を抽出し、体系化した「JPGIS(Japan Profile for Geographic Information Standards)」が策定されました。

上記の関係をまとめると以下の図のようになります。

2. スキーマー(schema)

JPGISを勉強する中で、スキーマーという聞きなれない単語が出てきます。次にこちらの単語について説明していきます。

スキーマー(schema)とは、図式、図解等の意味があり、データベースの概念・構造などを示したものを意味します。IT業界などほかの分野でもよく使用される単語のようですが、しっかりした定義はその分野ごと異なり、一般人が突き詰めても不毛らしいので、ここでは「地理空間情報のデータ構造」と読み替えて理解しておくのが良いと思います。

JPGISで定義されるスキーマー(地理空間情報のデータ構造)は、統一モデリング言語(UML:Unified Modeling Language)のクラス図で表現します。下記のように地物の諸概念、これらの情報がどのように関連付けられるかを記述するなど(一般地物モデルといわれる)に用いられます。

3. 符号化(encording)

 JPGISでは、地理空間情報を記述し、データの相互互換が図れるよう符号化(encording)について定めています。符号化は、XML(eXtensible Markup Language)に基づき行われます。

 XMLもあまり、聞きなれない言葉だと思います。これはマークアップ言語と呼ばれ、文章の見た目や構造を記述します。よくホームページ作成で使われるHTMLの親戚と考えておけばいいと思います。

 地物の符号化に限っては原則、GML(Geography Markup Language)と呼ばれる地理空間データをXMLを使用して符号化するための方法を使用することができます。

4.メタデータ

 メタデータとは、地理空間情報のデータを説明するデータを指します。要は説明資料です。

 日本において、メタデータはJMP2.0(Japan Metadate Profile)の仕様に基づいています。メタデータもスキーマーと同様、XML形式で符号化されることが求められています。

 メタデータの構成などJMP2.0の資料に掲載されています。その詳細な中身まではあまり択一試験には出てきません(過去5年分を参照)。興味のある方は、ページ下部リンクより読んでみてください。

5.地理空間データの品質

 地理空間データの品質は、JMP2.0に準拠するメタデータで記述します。上記4と同様です。(附属書3 参照)

一方で、品質の要求、評価及び報告の方法は別に定める「品質の要求、評価及び報告のための規則」に準拠しなくてはいけません。この内容は、令和2年度の測量士試験で出題されました。

「品質の要求、評価及び報告の規則」は以下のような目的で規定されています。品質の報告については、JMP2.0に準拠するよう規則が示されています。

JIS X 7100 シリーズ及び ISO 19100 シリーズで規定するデータ品質(JIS X 7157,ISO 19157:2013),から,JPGIS に基づく地理空間データの品質評価のために必要となる基本的な事項を抽出し,これらの規格に相互矛盾がある場合は,使用者の理解のしやすさを考慮して,その内容を調整した上で,より明確に規定するものである。また,品質の報告については,日本版メタデータプロファイル(JMP:Japan Metadata Profile)2.0 に準拠するための規則を示す。

令和元年7月 品質の要求,評価及び報告のための規則 国土交通省国土地理院 序文より

6.活用例

最後に、国土地理院HPにも掲載されていますが、活用例について触れておきたいと思います。

(1)製品仕様書

 JPGISでは、統一化された考え方基準をもとに利用目的やデータ使用を決めており、製品仕様書の作成について規定されています。この製品仕様書は、データを作成者・利用者の守るルールを規定します。

 この製品仕様書は、データ作成時には「発注仕様書」、データ交換時には「説明書」として使用できます。

(2)メタデータの流通

 作成された地理情報空間に関する説明情報が共有化され、既存データを検索する再利用できます。インターネット上の検索システム(=クリアリングハウス)に登録し、データの有無の検索、ならびにオンラインでのデータ入手ができるようになります。

7 .測量士過去問

 測量士試験で、JPGISは毎年出題されています。下記リンクより問題ページに飛ぶことができます。

【測量士 過去問解答】令和2年(2020)No.3 正誤付き選択肢
【測量士 過去問解答】 令和元年(2019) No.3 正誤付き選択肢
【測量士 過去問解答】平成30年(2018)No.3 正誤付き選択肢

8. 参考ページ

本記事は以下のページを参考に作成しました。より詳しく学びたい方はこちらをどうぞ。

地理情報標準プロファイル(JPGIS)-国土地理院HP
黒川史子(2019)「地理空間情報に関する国際標準化について」写真測量とリモートセンシング 58巻3号 p93-97

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