次のa~eの文は,空中写真測量の特徴について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。
a.現地測量に比べて,広域な範囲の測量に適している(〇:明らかに正しい)。
b.高塔や高層建物は,空中写真の中心に向かって倒れこむように写る(×⇒中心から外0側に倒れこむ(※1))。
c.同一撮影条件において,画面距離のみが異なるカメラを比較した場合,画面距離の短いカメラを使用した方が一枚の空中写真に写る地上の範囲は広くなる(〇:※2)。
d.デジタル航空カメラで撮影した場合,対地高度が下がるほど,地上画素寸法は大きくなる(⇒小さくなる(※2))。
e.空中写真に写る地物の形状,大きさ,色調,模様などから,土地利用の状況を知ることができる(〇:田畑利用など空中より確認できる)。
正の内容:赤字、誤の内容:青字
※1. 中心投影

※2. 画面距離(標高)と画素寸法の関係

上記の設定の時、①画面距離、②標高が変化した時の、撮影範囲、ならびに地上画素寸法の変化を考えます。まず、大前提として下記の比例関係が成り立つことを抑えましょう。
- 地表面からの高さ ∽ 画面距離
- 地上画素寸法 ∽ 素子寸法
- 撮影範囲 ∝ 撮影面
① 画面距離と撮影範囲の関係
画面距離が短くなる。例えば、画面距離f⇒1/2fになったとします。そのほかの条件が変わらないとき、比例関係より撮影範囲の変化を考えます。
<元々の比例関係より>
撮影範囲(D):撮影面(S)=H : f
<画面距離変化>
撮影範囲(D):撮影面(S)=H : 1/2f
ここで、Sの条件(値)は同じであるため、撮影範囲Dが2倍になる。
以上より、画面距離が短くなると、撮影範囲は広くなる。
② 高度と地上画素寸法の関係
高度が低くなる。例えば、高度H⇒1/2になったとします。そのほかの条件が変わらないとき、比例関係より地上画素寸法の変化を考えます。
<元々の比例関係より>
地上画素寸法(D):素子寸法(S)=H : f
<画面距離変化>
地上画素寸法(D):素子寸法(S)=1/2H : f
ここで、素子寸法の条件が同じであるため、地上画素寸法Dの値が1/2倍となる。
以上より、対地高度が短くなると、地上画素寸法は小さくなる。
3. 参考ページ
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【測量士・測量士補】これだけでOK。写真測量の計算問題を解くための基礎知識。
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R4年度 測量士補 過去問解答
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