測量士補・測量士 過去問解答

【測量士補 過去問解答】令和5年(2023)No.13

 公共測量における1級水準測量を図に示す区間で行ったところ、表の観測結果を得た。この観測結果を受けて取るべき対応を答えよ。
 ただし、往復観測値の較差の許容範囲は、観測距離Sをkm単位として2.5mm√Sで与えられる。

観測区間 往路の観測高低差 復路の観測高低差 観測距離
+5.3281m -5.3285m 250m
+5.9640m -5.9645m 250m
+5.7383m -5.7389m 250m
+5.0257m -5.0269m 250m

解答

 各区間の往路、復路の較差、ならびに許容値を比較すると下記表の結果となる。

観測

区間

往路の

観測高低差

復路の

観測高低差

往路と復路

の較差

観測距離 許容範囲 判定
+5.3281m -5.3285m +0.0004 250m 0.00125m OK
+5.9640m -5.9645m +0.0005 250m 0.00125m OK
+5.7383m -5.7389m +0.0006 250m 0.00125m OK
+5.0257m -5.0269m +0.0012 250m 0.00125m OK
合計 +22.0561m -22.0588m +0.0027 1000m 0.0025m NG

※. 2.5×√0.25=2.5×5/10=1.25mm→0.00125m

 上記表より、①~④全体の区間において、許容範囲外となる。観測区間全体で許容範囲外となった場合、観測区間の中で最も較差が大きい区間を再測する。よって、較差が最も大きい④区間を再測する(答)

補足ページ

 本問題は、観測区間ごとでは許容範囲内であるが、①~④全体で許容値からはずれています。較差を計算するとわかるように、すべての観測で復路の高低差が大きくなっています。このように特定の方向の観測が、同方向に誤差が生じている、つまり系統誤差が生じているとき、全体区間の許容値から外れることがあります。

 下記のページでは、その現象を解説してみました。ご参考にしてみてください。

【測量士・測量士補】水準測量の制限値(較差)をグラフで捉えてみた。

R5年度 測量士補 過去問解答

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