次のa~dの文は、公共測量におけるGNSS測量機を用いた基準点測量について述べたものである。ア ~ エ に入る語句を埋めよ。
a. 準天頂衛星はGPS衛星と同等の衛星として扱うことが ア 。
b. 2周波で基線解析を行うことにより、イ の影響による誤差を軽減することができる。
c. 基線解析を行うには、測位衛星の ウ が必要である。
d. 電子基準点のみを既知点とした2級基準点測量において、エ の緯度及び経度は、成果表の値又はセミ・ダイナミック補正を行った値のいずれかとする。
解答・解説
a. 準天頂衛星はGPS衛星と同等の衛星として扱うことが ア できる
- 準天頂衛星は日本国産の測位衛星。準天頂軌道(8の字軌道)で日本上空に長く滞在する。
- 単独での利用ではなく、GPSの補強、補完を目的として用いられる。
- 準天頂衛星は、GPS衛星と同等に扱うことができる。(R5.作業規程の準則 第21条)
b. 2周波で基線解析を行うことにより、イ 電離層 の影響による誤差を軽減することができる。
- 観測点間の距離が長い場合(10km以上)、2周波の電波を受信して、電離層内の速度変化の差を補正する。
- 対流(大気)圏で生じる誤差は、標準大気モデルを使用して軽減される。
c. 基線解析を行うには、測位衛星の ウ 軌道情報 が必要である。
- GNSSの位置を表す軌道情報(衛星から常時放送されている情報)のことを放送暦(broadcasts ephemerides)という。
- 事後処理されて得られる高精度の軌道情報を精密暦(precise ephemerides)という。事後情報なので、観測時に使用できない。
d. 電子基準点のみを既知点とした2級基準点測量において、エ 基線解析の固定点 の緯度及び経度は、成果表の値又はセミ・ダイナミック補正を行った値のいずれかとする。
- 基線解析は、衛星からの距離の差(行路差)を測定する。2点間の距離の差を測定するため、固定点の座標は、成果品の値(元期)、セミダイナミック補正を行った値(今期)どちらでもよい。
- 三次元網平均計算の既知点は、セミダイナミック補正を行った値(今期)を用いる。基線長が長いため、地殻変動の影響を考慮しないと周囲の基準点と不整合が生じる恐れがあるため。
R5年度 測量士補 過去問解答
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