次のa〜eの文は、公共測量における測量作業機関の対応について述べたものである。その対応として明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a. 新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、トータルステーションによる基準点測量の現地作業において、マスクを着用し、近い距離での大声の会話を避けて観測を行った(〇:しかし、夏場などマスクをつけて作業すると逆に熱中症の危険もあり、正答と判断するのは微妙な選択肢である)。
b. 基本測量成果を使用して行う基準点測量において、国土地理院のホームページで公開している基準点閲覧サービスから測量成果が閲覧できたため、それを印刷して既知点座標の数値として使用し作業を行った(×⇒基準点閲覧サービスは閲覧以外の利用はできない。使用する場合は、計画機関の承認が必要)。
c. 測量士補の資格を有していたため、測量士が立案した作業計画に従い、測量技術者として公共測量に従事した(〇:「登録をされた」が抜けているため、誤りと判断した人も…。地理院見解だと登録の有無についてはここでは問うてないらしい。)。
d. GNSS 観測で得られたデータで基線解析を実施したところ、観測データの後半で不具合がおき、計画していた観測時間よりも短い時間のデータしか解析ができなかった。それでも作業規程に規定された観測時間は満たしており、FIX 解が得られ、点検計算でも問題はなかったので、そのまま作業を続けた(〇:計画より短いが、作業準則を満たしているため問題ない。)。
e. 測量計画機関から貸与された空中写真を、別の測量計画機関から同じ地域の作業を受注した場合に活用できるかもしれないと考え、社内で複写して保管した(×⇒発注者への返却若しくは消去又は破棄を確実に行うこと。)。
正の内容:赤字、誤の内容:青字
本問題の解釈
本問は、資格学校等でも大きく解答が割れました。資格学校ではcを誤りとして、そこから選択肢を絞る解答方法が多かったようです。しかし、国土地理院側ではb,eを誤りとして選ぶことを期待していたようです。
b(eも?)は「測量成果の使用、複製」に選択肢です。国土地理院の以下ページより規約を確認できます。ご参考にしてください。
国土地理院コンテンツ利用規約(国土地理院HP)
国土地理院の地図の利用手続(国土地理院HP)
来年度出版される解答集にどうやって解説されるか…しっかりとチェックしてみたいと思います。
R3年度 測量士補 過去問解答
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