公共測量の2級基準点測量において、電子基準点 A、B を既知点とし、新点 C に GNSS 測量機を設置して観測を行った後、セミ・ダイナミック補正を適用して元期における新点 C の Y 座標値を求めたい。基線解析で得た基線ベクトルに測定誤差は含まれないものとし、基線 AC から点 C の Y 座標値を求めることとする。
元期における電子基準点 A の Y 座標値、観測された電子基準点 A から新点 C までの基線ベクトルの Y 成分亜観測時点で使用するべき地殻変動補正パラメータから求めた各点の補正量がそれぞれ表1、2、3のとおり与えられるとき、元期における新点 C の Y 座標値は幾らか。
表1
名称 | 元期におけるY座標値 |
電子基準点A | 0.000m |
表2
基線 | 基線ベクトルY成分 |
A⇒C | +15.000.040m |
表3
名称 | 地殻変動パラメータから求めた Y方向の補正量(元期⇒今期) |
電子基準点A | -0.030m |
新点C | 0.030m |
解答
元期と今期の意味が分かっていれば解ける問題となっています。それぞれの意味は以下の通り。
元期:「測量成果2011」の基準日
今期: 観測を行った時点
点間距離が長い2級基準点測量では、地殻変動のひずみを無視することができないため、既存の測量成果と観測結果との間に生じる地殻変動のひずみを補正する「セミ・ダイナミック補正」を行います。本問はその基本的な考え方を問う問題です。
① 元期、今期の座標、観測値を整理する
下記にA、Cの元期と今期の座標、観測値を整理すると以下のようになります。

② 今期の座標、観測値から元期の座標を計算する
上図より、今期の新点Cの座標は、+15,000.010(m)となる。よって、新点Cにおける元期⇒今期の補正量が+0.030より、元期の新点Cの座標は、+15,000.010-0.030=14,999.980(m)となる(答)
R3年度 測量士補 過去問解答
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