測量士補・測量士 過去問解答

【測量士補 過去問解答】令和3年(2021)No.19

 画面距離 10 cm、撮像面での素子寸法 10 μm のデジタル航空カメラを用いて、対地高度2,000 m から平たんな土地について、鉛直下に向けて空中写真を撮影した。空中写真には、東西方向に並んだ同じ高さの二つの高塔 A、B が写っている。地理院地図上で計測した高塔 A、B間の距離が 800 m、空中写真上で高塔 A、B の先端どうしの間にある画素数を 4,200 画素とすると、この高塔の高さは幾らか。ただし、撮影コースは南北方向とする。また、高塔 A、B は鉛直方向にまっすぐに立ち、それらの先端の太さは考慮に入れないものとする。

解答

 問題文の条件を図示すると以下のようになる。高塔の高さΔhを求めるために、以下(1)~(3)を行う。

(1)地上画素寸法を求める

以下の関係より、地上画素寸法を求める

① 地表面からの高さ ∽ 画面距離
② 地上画素寸法   ∽ 素子寸法

①の関係より、相似比を求めると

2000(m):10(cm)=2000(m):0.10(m)=20000:1

よって②の関係より、地上画素寸法は

10(μm)× 20000 = 200000(μm)⇒ 20(cm)

(2)空中写真上において、高塔A、B地上部間の画素数を求める。

(1)より地上画素寸法が20cmであることから、高塔A,Bの地上部間の画素数は、

800(m)÷ 20(cm)=800(m)÷ 0.20(m)=4000(画素数)

(3)空中写真に倒れこんだ高塔の画素数を求め、高塔の高さΔhを求める。

 高塔A,Bの高さは等しいため、 高塔 A、B の先端どうしの間の画素数4200から、高塔A,Bの地上部間の画素数4000を引いた 半分、すなわち100画素が高塔A、もしくはBの倒れこみに相当する。

 ここで、倒れこみの長さと実際の高塔の高さは、以下のような関係が成立する。

 よって、本問題においてH=2000(m)、Δr=10×100(μm)、R=10×2100(μm)より、Δhは

$$\Delta{h}=2000(m)\times\frac{10\times{100}(μm)}{10\times{2100}(μm)}=95.23$$

以上より、高塔A、Bの高さは95m(答)

過去問類題

【測量士補 過去問解答】平成29年度(2017) No.20

参考ページ

【測量士・測量士補】空中写真測量の計算問題をパターン別にまとめてみた。

R3年度 測量士補 過去問解答

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