視準距離を等しく 45 m として,路線長 1.8 km の水準点A,B間の水準測量を実施した。1測点における1視準1読定の観測の精度(標準偏差)が 0.4 mm であるとき,観測により求められる水準点A,B間の片道の観測高低差の精度(標準偏差)は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。ただし,1測点では,後視及び前視の観測を1回ずつ,1視準1読定で行ったものとする。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
解答
本文を図示すると、以下のようになる。

誤差伝搬の公式より、路線全体の標準偏差を求める。
1測点の高低差観測において、後視・前視をそれぞれ1視準、1読定する。
よって、路線全体では40視準、40読定するので、これら全体の誤差伝搬を考える必要がある。
観測値をXn(n=1~40)とすると、A~Bまでの観測値Yは、
$$Y=(X_{1}-X_{2})+\dots+(X_{39}-X_{40})$$
となるので、誤差伝搬の公式より、Yの標準偏差を求める。
Xnの標準偏差σxn、Yの標準偏差をσyとすると、
$$\sigma_{y}^{2}=\sigma_{x1}^{2}+\sigma_{x2}^{2}+\dots+\sigma_{x40}^{2}$$
ここで、1観測の標準偏差はすべて等しく0.4mmである。σxn=0.4mmより、
$$\sigma_{y}^{2}=40 × 0.4^{2}=6.4$$
$$\sigma_{y}=2.52982$$
よって、A~Bまでの路線全体の標準偏差は2.5mm(答)
解答のポイント
- どこの標準偏差が与えられているか注意すること。(後視・前視合わせてか、1視準1読定か)
- 誤差伝搬の公式は、丸暗記でもいいができれば、どういう原理で導き出されるか理解しておくのが吉
参考ページ
準備中
R元年 測量士 過去問解答
No.1 | No.2 | No.3 | No.4 | No.5 | No.6 | No.7 | No.8 |
No.9 | No.10 | No.11 | No.12 | No.13 | No.14 | No.15 | No.16 |
No.17 | No.18 | No.19 | No.20 | No.21 | No.22 | No.23 | No.24 |
No.25 | No.26 | No.27 | No.28 |