【測量士 過去問解答】令和3年(2021)No.5

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 次の文は、正規分布の性質について述べたものである。 ア 〜 ウ に入る語句を埋めよ。

問題文-1

 確率変数 \(x\) が平均\(\mu\)、分散 \(\sigma^{2}\)の正規分布に従うとき、\(x\) 〜 \(N\)(\(\mu\)、\(\sigma^{2}\))と書くこととする。
 二つの互いに独立な確率変数 \(x_{1}\)、\(x_{2}\) について、

\(x_{1}\) 〜 \(N\)(\(\mu_{1}\)、\(\sigma_{1}^{2}\))
\(x_{2}\) 〜 \(N\)(\(\mu_{2}\)、\(\sigma_{2}^{2}\))

のとき、\(ax_{1} + bx_{2}\) 〜 \(N\)(\(a\mu_{1} + b\mu_{1} \)、\(a^{2} \sigma_{1}^{2} + b^{2} \sigma_{2}^{2}\))となることが知られている。ただし、a、b は任意の実数である。

解説:誤差伝搬の公式について

 確率変数\(Y=ax_{1}+bx_{2}\)の平均値と分散を導く。\(x_{1}\)、\(x_{2}\)の平均、分散は上記のとおりとする。ここで、確率変数Xの平均μと分散σは、期待値E(x)で表すと

平均値:\(E(X)=\int_{-\infty}^{\infty}xf(X)dx=\mu\)、分散:\(E[(X-\mu)^{2}]=\int_{-\infty}^{\infty}(x-\mu)^{2}f(X)dx=\sigma^{2}\)

となる。よって、確率変数Yの平均値、分散は、

①Yの平均値:
\(E(Y)=E(ax_{1}+bx_{2})=a{E(x_{1})}+b{E(x_{2})}=a\mu_{1}+b\mu_{2}\)

②Yの分散
\(\begin{align}E[(Y-E(Y)]^{2}] &=E[[(a(x_{1}-\mu_{1})+b(x_{2}-\mu_{2})]^{2}]\\
&=a^{2}E[(x_{1}-\mu_{1})^2]+b^{2}E[(x_{2}-\mu_{2})^2]+2abE[(x_{1}-\mu_{1})(x_{2}-\mu_{2})])\end{align}\)

 ここで、\(E[(x_{1}-\mu_{1})(x_{2}-\mu_{2})]\)は、共分散\(\sigma_{12}\)と呼ばれ、1,2の相関にかかわる要素である。今回、x1、x2は互いに独立であるので、\(\sigma_{12}=0\)となる。よって、

\(E[(Y-E(Y)]^{2}]=a^{2}E[(x_{1}-\mu_{1})^2]+b^{2}E[(x_{2}-\mu_{2})^2]=a^{2}\sigma_{1}^{2}+b^{2}\sigma_{2}^{2}\)

問題文-2

 いま、異なる2機種のトータルステーションA、Bを用いて、ある2点間の距離を多数回測定し、気象補正を施したところ、それぞれの距離の測定値 xA、xB の分布は

xA 〜 N(200.004、0.000004)
xB 〜 N(200.002、0.000008)となることがわかったとする。

 ただし、xA と xB は互いに独立で、それぞれの分布は偶然誤差によって生じるものとし、その他の観測条件は同一であるものとする。なお、測定の単位は m である。

このとき xA、xB の平均がとる確率分布を考えれば、

\(\frac{x_{A}+x_{B}}{2}\) 〜 \(N\)((ア)、(イ))となり、標準偏差は(ウ)である。

解答

 上記の誤差伝搬の公式を利用する。xA、xB の平均がとる確率分布を\(Y=ax_{A}+bx_{B}\)で表すと、\(a=b=\frac{1}{2}\)であるから

①平均値:\(\frac{1}{2}\times{200.004}+\frac{1}{2}\times{200.002}=200.003\)(ア)
②分散:\((\frac{1}{2})^{2}\times{0.000004}^{2}+(\frac{1}{2})^{2}\times{0.000008}^{2}=0.000003\)(イ)
③標準偏差:\(\sigma=\sqrt{0.000003}=0.0017\)(ウ)

R3年度 測量士 過去問解答

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No.25No.26No.27No.28択一総評 記述総評  
2-C-12-C-42-D-2,35-A-35-B5-C-15-D-3,4

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