標高が 100 m から 800 m までの範囲にある土地の、デジタル航空カメラを鉛直下に向けた空中写真影において、撮影範囲全体にわたって隣接するコースの数値写真との重複度が最小で30 % となるように計画した。撮影基準面の標高を 100 m とするとき、隣接コースの数値写真との重複度は最大で何% となるか。
ただし、使用するデジタル航空カメラの画面距離は 10 cm、撮像面での素子寸法は 10 μm、画面の大きさは 17,000 画素× 11,000 画素とし、画面短辺が撮影基線と平行であるとする。
また、空中写真の撮影は等高度かつコースの間隔を一定で行うものとし、撮影基準面での地上画素寸法は 20 cm とする。
解答
問題文を図示すると、下記のようにまとめられる。

(1)素子寸法、地上画素寸法の比率から、撮影基面高からの高さを求める。
条件より、画素寸法と画面距離の比の式を立式すると
10(μm):20(cm)=10(cm):X(m)
\(10.0×10^{-6}\)(m):\(2.0×10^{-1}\)(m)=\(1.0×10^{-1}\)(m):X(m)
上記の計算を行うと、撮影基面高からの高さはX=2000mとなる。
(2)撮影面の重複度を数値で表し、非重複区間の長さを求める。
条件より、最小の重複度30%となる撮影面は、標高800mの面である。ここで、A'Bの長さを1300(2000-(800-100))とおいて以後計算していく。
標高800mの重複度が30%であるため、非重複の長さは、
$$1300\times{\frac{70}{100}}=910$$
よって、非重複の長さ(=撮影基線長)は910。
(3)(2)で求めた非重複区間の長さより、標高100mの重複度を求める。
(2)より、撮影基線長は910と求まった。最後に、標高100mの撮影面の長さのうち、重複する区間長の割合を算出する。まず、標高100mの撮影面の長さは、相似関係より2000とおく。非重複区間の長さは、撮影面800mのときと同様、910であるから、標高100mの撮影面の重複度は
$$\frac{2000-910}{2000}\times{100}=54.5$$
よって、選択肢の中で最も近い値は55%(答)
過去問類題
参考ページ
【測量士・測量士補】空中写真測量の計算問題をパターン別にまとめてみた。
R3年度 測量士 過去問解答
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