標高が200 mから500 mまでの範囲にある土地の鉛直空中写真撮影で,撮影範囲全体にわたって同一コース内の隣接空中写真間の重複度が最小で60 %となるように計画したい。撮影基準面の標高を200 mとするとき,撮影基準面における同一コース内の隣接空中写真間の重複度は何%となるか。ただし,画面距離 7 cm,画面の大きさ17,000画素×11,000画素,撮像面での素子寸法 6 μmのデジタル航空カメラを使用するものとし,画面短辺が撮影基線と平行であるとする。また,空中写真の撮影は等高度で,撮影基線長は撮影範囲全体にわたって一定であるとし,撮影基準面で
の地上画素寸法は15 cmとする。
解答
重複度を求める公式もあるが、覚える意味があまりない。以下のように条件を整理し、三角形の相似関係を利用すれば問題は解ける。

(1)素子寸法、地上画素寸法の比率から、撮影基面高からの高さを求める。
条件より、画素寸法と画面距離の比の式を立式すると
6(μm):15(cm)=7(cm):X(m)
\(6.0×10^{-6}\)(m):\(1.5×10^{-1}\)(m)=\(7.0×10^{-2}\)(m):X(m)
上記の計算を行うと、撮影基面高からの高さはX=1750mとなる。
(2)撮影面の重複度を数値で表し、非重複区間の長さを求める。
条件より、最小の重複度60%となる撮影面は、標高500mの面である。ここで、A'Bの長さを1450(1750-(500-200))とおいて以後計算していく。
標高500mの重複度が60%であるため、非重複の長さは、
$$1450\times{\frac{40}{100}}=580$$
よって、非重複の長さ(=撮影基線長)は580。
(3)(2)で求めた非重複区間の長さより、標高200mの重複度を求める。
(2)より、撮影基線長は580と求まった。最後に、標高200mの撮影面の長さのうち、重複する区間長の割合を算出する。まず、標高200mの撮影面の長さは、相似関係より1750とおく。よって、非重複区間の長さは、撮影面500mのときと同様、580であるから
$$\frac{1750-580}{1750}\times{100}=66.9$$
よって、選択肢の中で最も近い値は67%(答)
参考ページ
【測量士・測量士補】空中写真測量の計算問題をパターン別にまとめてみた。
R2年度 測量士 過去問解答
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