図は,水準点Aから固定点(1),(2)及び(3)を経由する水準点Bまでの路線を示したものである。この路線で 1 級水準測量を行い,表に示す観測結果を得た。再測すべき観測区間はどれか。ただし,往復観測値の較差の許容範囲は,S を観測距離(片道,km単位)としたとき,2.5 mm√S とする。
解答

観測区間 | 観測距離 | 往路高低差 | 復路高低差 | 較差 | 許容範囲 | 観測合否 |
A→(1) | 380 m | + 0.1908 m | - 0.1901 m | 0.0007 m | 0.0015 m | OK |
(1)→(2) | 320m | - 3.2506 m | + 3.2512 m | 0.0006 m | 0.0014 m | OK |
(2)→(3) | 350m | + 1.2268 m | - 1.2254 m | 0.0014 m | 0.0015 m | OK |
(3)→B | 400m | + 2.3174 m | - 2.3169 m | 0.0005 m | 0.0016m | OK |
A→B | 1450m | +0.4844m | --0.4812m | 0.0032m | 0.0030m | OUT |
各区間で、往復の較差はOKである。全区間の点検において、較差が許容範囲を超えている。よって、較差が最も大きい(2)→(3)の再測が必要である(答)
解答のポイント
各々の区間で、すべて往路で+の誤差が生じている。すなわち、往路のほうが復路よりも高低差を高く測定している傾向がある。
このような場合、各区間の許容範囲は満たしたとしても、往路側で同方向の誤差が蓄積されていくため、全区間で点検した場合、許容範囲を満たさない場合が出てくる。その場合、最も誤差が大きかった区間を再測する。
詳細は、以下のページを参照してください。
【測量士・測量士補】水準測量の制限値(較差)をグラフで捉えてみた。
リンク
R2年度 測量士補 過去問解答
No.1 | No.2 | No.3-ab,c | No.4 | No.5 | No.6 | No.7 | No.8 |
No.9 | No.10 | No.11 | No.12 | No.13 | No.14 | No.15 | No.16 |
No.17 | No.18 | No.19 | No.20 | No.21 | No.22 | No.23 | No.24 |
No.25 | No.26 | No.27 | No.28 | 試験総評 |